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日本で一番長い投資歴(!?)89歳現役トレーダー「毎日午前2時に起きて予習・復習」【和田秀樹さん×藤本茂さん】

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和田秀樹

80歳、90歳を超えても、現役でいきいきと輝き続ける人たちがいます。その元気の秘密とは? 高齢者医療のプロ・和田秀樹さんが人生のレジェンドたちと語り合いながらそのヒントを探る、新刊『80歳の壁を超えた人たち』(幻冬舎刊)が話題です。その中から一部抜粋してお届けする第1回は、“ボケる暇なく頭を回して生きる” 89歳のデイトレーダー・藤本茂さんです。

和田秀樹さんの対談のお相手は

藤本茂さん デイトレーダー
(ふじもと・しげる)1936年兵庫県生まれ、89歳(2026年1月時点)。19歳から投資を始め、現在もデイトレーダーとして活躍。投資歴70年目に突入して、築き上げた資産は24億円に上る。勝つための投資哲学を公開した初の著書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)は12万部のベストセラーとなった。

全方位に目を配る。すると頭は自然にフル回転する

和田 今も休みなく相場に挑んでいらっしゃるそうですが、株式市場が始まる朝9時から午後3時半まで座りっぱなしですか?

藤本 まあそうやね。市場が開いている時は3台のPCのモニターを見続けてますね。株価チャートや板は休みなく変動するから、休んでられない。値が動いた瞬間に「これは買いだ」「売りだ」と即決する。この繰り返しです。

和田 頭が冴えてる藤本さんだからできることです。

藤本 でもな、株式市場が閉まっている時間も重要やねん。私は準備のために午前2時には起きる。予習・復習が大事なんで。

和田 毎日ですか?

藤本 そう。目覚ましをかけなくても勝手に目が覚める。起きたらリビングに行きコーヒーを入れる。で、テレビをつけて「日経CNBC」を見る。経済情報を24時間流している専門チャンネルです。キャスターもコメンテーターも投資歴は私より短いわけやか
ら、流し聞く程度やな(笑)。でも寝るまでずっとその番組はつけてますよ。

和田 藤本さんの投資歴はおそらく日本で一番長い?(笑)

藤本 昭和、平成、令和をまたいでやってるからね。バブルもリーマン(ショック)も乗り越えた。そらもう、年季が違いますよ(笑)。

和田 一日中、頭はフル回転してるわけですね。

藤本 そうやね。朝4時頃、日経新聞が届くと、配達の人がピンポンしてくれはる。新聞をすぐに読みこみ、6時(夏場は5時)にアメリカの市場取引が終了するので、これをチェックする。昔から「アメリカがくしゃみすると日本は風邪をひく」と言うでしょ。影響があるから無視できない。だからCNNニュースも見ますよ。

和田 株は世の中の動きや人の感情とも関係するので、全方位に目配りしないといけません。気が休まる暇なんてない?

藤本 ほんまそうやね。そうこうするうちに8時になる。そこから日本の銘柄の研究です。株式市場が開く1時間前に“気配値”を確認できるんで、今日の勝負の当たりをつけるわけです。気配値は市場開始の寸前まで目まぐるしく動くのやけど、そこで目星をつけた銘柄を中心に売買していく。

和田 分刻みというより、秒刻みの忙しさですね(笑)。

藤本 身についた習慣ですよ。この間に朝食を食べたり、散歩したりする。ぎっくり腰でここ1ヵ月くらいはあまり歩けてないけど、普段は平日に40〜50分、株式市場が休みの土日は2時間歩きます。足も腕も細くなってきたけど、年相応の身体になったっちゅうことやな(笑)。

和田 散歩はいいですね。神戸は海と山が近くて景色もいい。

藤本 ずっと椅子に座りっぱなしだから、忙しくても散歩の時間は確保します。健康なくして投資はできへんから。平日は急坂を上って公園に行き、休日は山の中腹の神社まで。そこで身体を伸ばす。身体がカチコチだと頭も回らない。

和田 気分転換にもいいですね。

藤本 散歩すると投資の情報も得られるんですよ。例えばコインパーキング見て「最近よく駐まってるな」と思ったら、その運営会社の業績をチェックする。空き地に家が建ち始めたら、不動産会社を確認する。よく見かける名前なら「この会社は最近勢いあるな」と肌感覚でわかる。駅前の店の入れ替わりを見るだけでも、経済の状況を教えてもらえますよ。「日経平均株価が30年ぶりの高値圏だ」なんて言うけど現実の日本経済は、地盤沈下が進んでいることは目に見えて明らかや。そんなふうに散歩中も、頭はクルクル回ってるんです。

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