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「さしすせそ」より先に酢を入れる!?減塩しながら旨みを引き出す新常識

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綛谷久美

下準備の段階から酢を使ってみると

岩間 その効果を、新刊『お酢推すレシピ』では「VSS」として書きました。
Vは酢、Vinegar。
Sは糖、Sugar。
もうひとつのSは塩、Salt。

つまり、V=酢、S=糖、S=塩という調味順を推奨しているんです。

日本では、従来の味つけ順として「さ(砂糖)→し(塩)→す(酢)→せ(醤油)→そ(味噌)」が知られていますよね。でも、酢を料理に頻繁に使うようになって、「なぜ日本の調味順では酢が真ん中なのだろう」と思うようになりました。

それで下準備の段階から酢を使ってみたんです。

前橋 VSSか、なるほど。酢はその性質上、肉や魚に使うと一瞬キュッと身が締まります。ただ、しばらくするとほぐれてやわらかくなっていきますね。

岩間 そうなんです。肉や魚、野菜といった食材にはもともと味があります。その味をはっきりさせること、嫌な臭いをマスキングすること、ぬめりを取り除くこと。そうした酢の機能を活かすのがVSSだ、というのが私の結論です。

「あさりの酢蒸し」は最高でした

前橋 酢が「さしすせそ」の真ん中にあるのは、酸味を生かすためですね。最初に入れてしまうと酸味が和らぐ。後から入れると酸味が際立つ。だから、あの順番になっている。

でも酢には旨みを内側に取り込んで逃さない、いわばガードする力があります。食材に作用して働く酵素があるので、旨みを逃がさないんです。

岩間 プロの料理人さんに伺うと、砂糖は分子が大きいので、調理の最初に使わないと食材に入り込みにくいといいます。醤油や味噌は最初から入れると香りが飛んでしまうから後のほうがいい。そうした考え方からでき上がったのが「さしすせそ」だと聞きました。

でもそうすると、塩が最初のほうに入るのでどうしても塩分過多になりがちです。酢を最初に使って、食材の味をしっかり引き出しておけば塩分はそんなに必要ありません。自然に減塩につながります。「あさりの酢蒸し」は最高でした!

前橋 酢は貝の殻のカルシウムを引き出しますからね。しじみのみそ汁に酢を使うと、通常の4.4倍のカルシウムが摂れるというデータもあります。カルシウムを多く摂りたい更年期世代や高齢者にはいいですね。

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