【豊臣兄弟!】謎多き慶(吉岡里帆)と小一郎(仲野太賀)がついに本当の夫婦に! 奥田瑛二×麻生祐未の豪華キャストにも注目
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志賀佳織
第20回「本物の平蜘蛛」
第20回では、いきなり秀吉がピンチに陥る。勝家と決裂して、勝手に戦場を離れ帰宅したことが、信長の逆鱗に触れたのだ。しかも、その結果、織田軍は大敗を喫した。信長の怒りは収まらない。秀吉は安土城内の牢に入れられ、厳しい監視下に置かれることになった。
小一郎は、助けてくれる仲間を探して奔走する。蜂須賀正勝(まさかつ/高橋努)、宮部継潤(けいじゅん/ドンペイ)、丹羽長秀(ながひで/池田鉄洋)、明智光秀(みつひで/要潤)などを訪ねては必死で頼み込むが、誰もかれも歯切れが悪く、力添えは得られない。
そんな中、羽柴家では寧々が城に行くと言って聞かない。それを見た慶が「行くなら、家中(かちゅう)みなで参りましょう」とあることを提案する。
数日後、秀吉は信長に呼び出される。「羽柴筑前守秀吉、沙汰を申しつける。このわしの命を一度ならず二度までも背いたことは断じて許されぬ。よって」と言いかけたところで、小一郎が割って入った。「お待ちくださりませ! これを」。すると、畳全面に長い巻紙を広げたのだった。それは羽柴家や家臣たち全員による、信長に忠誠を誓う起請文(きしょうもん)であった。女たちも全員、署名をし、血判を押したのだ。「これに免じて、どうか兄をお許しくださいませ!」
しかし、信長はその巻紙を蹴散らして「このようなものを見せられたところでわしの怒りは収まらぬ。だがこの者たちの願いがあるいは天運を呼び寄せたか、運がよかったのう、サルども。松永がまた裏切りおった」と言うのだった。「わしの知る限り、あやつが最も心を許しておるのはお前たちじゃ。松永を説き伏せ、再びわしのもとにひざまずかせよ。ただし、ただでは許さぬ。あやつの持つ茶器の中で最も価値のある、平蜘蛛を差し出させよ。それができれば、お前のこたびの失敗は目をつぶってやる」。秀吉はひときわ大きな声で叫ぶのだった。「必ずや上様のご期待に応えてみせまする!」
信忠や家臣たちが松永秀久(ひでひさ/竹中直人)の居城である信貴山城を取り囲んで待機する中、兄弟は松永との談判に臨んだ。兄弟が伝えた信長からの命に、松永は「素直に平蜘蛛を差し出せば、大和は返してもらえるのか」とくらいついてくる。大和に固執する理由を「南朝時代のお宝が眠っておるからだ」とも述べたが、どうもその話の端々に嘘がにじむ。戯言(ざれごと)なのか、そうでないのか、兄弟は翻弄されてしまう。
松永は、自分の父が偽物づくりを生業としていたと説明する。そして自分もその父に作られたまがい物なのだと、卑下して育った。歴史ある大和を治めることは、自分が本物であることの証なのだと言うのだった。秀吉は、「上様はあなた様を死なせたくないのでございます。平蜘蛛を差し出されませ。拙者とともに長生きいたしましょう」と説得する。
松永は平蜘蛛を二人に差し出すが、見分けのつかない同じようなものが二つ並んでいた。それを見抜く勝負をしようと、松永は二人に持ち掛ける。本物を見抜けたら命に従うと言うのだ。どう見てもわからず困り果てた小一郎は、いきなりそのうちのひとつを持ち上げて落とす振りをする。すると「やめろ!」と松永が叫んだ。それを見て小一郎は、手にしているものが本物だと確信し、もう一つのものを叩き割った。負けを認めた松永は、「支度して参る」と部屋を出ていく。
しかし、兄弟が喜び合っていると、突然爆発音が聞こえ、壁が崩れてくる。慌てて駆け出す二人の目の前に、炎に包まれる部屋で立っている松永が見えた。「戦、戦、戦のこの世にはもう飽きた。先に行って待っていると信長に伝えよ」。そして、平蜘蛛はどちらも偽物であると告げるのだった。信貴山城は炎に包まれて落ちていった。
安土に帰った兄弟は、偽物の平蜘蛛を差し出し、その旨を信長に報告した。すると信長は、その偽物の茶器を兄弟に下賜(かし)し、「そうか、ではこれはお前らにくれてやる。だがお前たちが役目を果たしたことは認めてやる。よって、北国でのことは水に流す」と秀吉のことを許したのだった。秀吉は土に降りて、「殿、ありがとうござりまする。ありがとうござりまする」と心からの礼を言った。
「もしかしたら、上様は最初からこれが偽物であることを知っておったのではないか」と小一郎がつぶやいた。「あのとき、松永殿が謀反を起こすことは目に見えていた。上様はそれを待っておったのじゃないか。兄者を許す理由とするために」
部屋に戻った信長に市が声をかけた。「いつ見ても美しいものですね。本物の名器というものは」。「ああ、そうじゃなあ」という信長の目の先には、先ほどの器とそっくりの茶器が置かれているのだった。そして兄弟がもらった偽物の茶器からは、大和に眠るお宝のありかが書かれた絵図が出てきた。
第20回も虚実入り混じっているだろう物語の「虚」の部分のエンターテインメント性に、ぐいぐい引っ張られた回だった。兄弟がどう助け合って、ともに戦国の世を駆け上がっていったのか、少々「お人よし」に描かれ過ぎの感は否めないが、それも仲野太賀と池松壮亮、二人の演技力で納得させられてしまう。これから地位が高くなっていけば、「いい人」だけではいられない。そこがどう描かれるのか。それも楽しみだ。
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