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63歳で大阪から富山・黒部へ移住。ひとり暮らしの私が「来た波に乗る」と決めた理由

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中道あん

「ここは、来た波に乗ろう!」

そこで、まず手始めに娘たちとは別に、家探しを始めました。しかも、シニアが住んでも便利そうな富山市内のマンションを探し始めました。けれど、愛犬が中型犬というだけで、どこも条件で却下されてしまいます。

何軒も断られていくうちに、だんだん「もう別にいいかな。今の家も気に入っていることだし」と思うようになって、積極的に探すのをやめていました。そうしていると、娘たちが住む予定の隣の家も空くといいます。しかもペットOK物件。本来なら小型犬しか住めないのですが、たまたまうちの犬が小ぶりだったために、特別に許可が下りました。それがゴールデンウイークのこと。

ここで、決断を迫られます。「家は、ある。さて、本当に来る気あるの?」私は、「困ったときには、カッコいい方を選ぶ」という美学みたいなものを持っています。家は、ひとりで住むには広すぎるし、私に必要のない機能があれこれ付いているし、結局は今の住まいよりも家賃が高い。「条件が合わない」と言ってもいい。じゃぁ、「条件が揃うのは、いつなん?」そう思うと、「ここは、来た波に乗ろう。ごちゃごちゃ言うのは、カッコ悪い」。そう思ったのです。

こうして、不動産屋さんがギリギリ入居を待てるのは6月末までという条件に合わせて、引越しすることに。20代前半に友達と黒部ダムを見に行ったきり、一度も富山県には行ったことはありません。行くと決めたら、ご近所や物件を見たところで、決断が変わることもありません。無駄に時間とお金を使わないように、あえて行きませんでした。

私のところには、「人生を変えたい」「もっと自分らしく生きたい」という女性の相談が多く寄せられます。でも、その一方で、「私は本当はどうしたいんだろう」と立ち止まって考えたことがない人も少なくありません。気づけば、「普通はこうする」「この年齢ならこうする」という基準で、人生の選択を重ねているのです。実は私も、40代まではそうでした。けれどそこから、自分で選ぶことを少しずつ重ねるうちに、人生は変わっていきました。

還暦のパリ旅行も、63歳の富山移住も、その延長線上にあります。大事なのは「自分にできるか、どうか」よりも、「自分がやりたいか、どうか」です。結局、私は「条件がそろったから」移住したのではありません。目の前にやってきた波に、「乗ってみよう」と決めたのです。

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