「似合う服がない」と悩む50代へ。ブランディングスタイリスト・あやみん先生がすすめる最初の一歩は“全身写真を撮ること”
「似合う服がわからない」人が最初にするべきこと
「何を着ればいいかわからない『ファッション迷子』は、自分の現在の立ち位置や将来のビジョンが見えていない『生き方迷子』でもある」とあやみん先生。
「『私はこの先、一体何がしたいんだろう』『どんなおばあちゃんになりたいんだろう』と考えなかったら、自分に似合う服はわかりません。ほとんどの人がそれをやっていないから、何を着たらいいかわからなくなっているんです」
あやみん先生が人の服を選ぶときは、その人のことを一生懸命見て、どういう人かと考えるという。
「本当はそれを自分で、自分に対してやらなくてはいけないんです」
若いときは新しい服を買うと、「これを着て、あそこへ行こう」とか「誰々と会おう」と胸がときめいたものだ。
「でも、子育てが終わりました、仕事が一段落しました、『さて、どうしますか?』となったときに、何も思い浮かばない人は、服を選ぶときも何となく『これでいいか、変じゃなければ』と選んでしまう。今、好きなことややりたいことがない人は未来も描けないから、近い将来、自分がこの服を着て、あそこへ行きたいというイメージも浮かばないし、そもそも未来を考えたくないんです」
では、そんな「ファッション迷子」かつ「生き方迷子」が、自分に似合う服を見つけるために最初にするべきことは何か? ずばり、あやみん先生は言う。「全身写真を撮ってください」
「多分ほとんどの人は、「ずっと自分の全身写真を撮る機会も見る機会もなかったはず。 撮ったとしても、風景の一部のようにすごく小さかったりする。『似合う服がわからない』という人は、自分のことを客観視できていないんです」
自分の体形はどうなっているのか、顔はどうなっているのかを、イヤでも直視する必要があるという。今の自分から目を背けないことだ。
「シワも増えたし、太ったし……なんて言ってる場合じゃありませんよ。自分の3サイズを知らない人も多くて、ウエスト何センチ?と聞かれて、即答できる人は少ないです」
4つのアプローチで自分にしっくりくる服を見つける
あやみん先生の「おしゃれ講座」では、自分の「内面」、「外見」、「ライフスタイル」、「本来の自分」という4つのアプローチで自分に似合う服を探っていく。
「『外見』的に似合っても『内面』に似合わなければ、それは結果として似合わない。『外見』にも『内面』にも似合うけど『ライフスタイル』に合わなければ、それも似合わない。でも『本来の自分』がわかれば後押ししてくれるんです。『私にはこういう素質があるんだったら着てみよう』と思えるんです」
その「本来の自分」は、どうすればわかるのだろう?
「受講生には、自分の言葉で『書く』と『話す』を徹底的にやってもらいます。自分のことを考えて人前で発表する、を繰り返すことで、自分が何を考えているかがわかってくるんです」
「可視化」、「言語化」が大事ということだ。
「毎回、講座前の2週間がどういう日々だったか、講座で勉強したことによって何を感じたかを発表します。終わった後も今日はどういう1日だったかを発表する。最初は何も言えなかった人も、講座が終了する4か月後にはちゃんと自分の言葉で自分のことをしゃべれるようになります」
トレーニングによって、やっと自分に目が向くようになるのだ。
「最後はみんな、『私に似合う服は~』とか『私が~』『私が~』と自分の話をするようになります。やっと自分自身に関心が向くようになるんです。私も子育て中は、自分のことより家族に関心が向いていました。自分のことなんて考えなくても生きていけますから、あえて考える必要もないんですよね」
しかし、自分に興味がなければ、自分に似合う服はわからない。
「自分ががまんすればうまくいく」イヤだと言えなかった私
自分に興味のない人は、「ずっと人の話をしている」とあやみん先生は指摘する。
「本人は気づいていないかもしれませんが、ずっと『子どもがさぁ』、『主人の会社がね』、『昨日お母さんがさ』、『近所の何とかさんが』などと延々と人の話を続けるんです。ひとつも『自分が』がない。『何食べたい?』と聞いても『なんでもいい』……。私の講座では、自分のことをしゃべる練習を4か月間みっちり行います」
「主婦で販売職だったとき、私は自分の言いたいことが言えませんでした。自分が我慢すればすべてうまくいく、丸く収まると思っていたんです」
ところが、占星術(星読み)の勉強を始めたことで、自分を振り返る機会ができた。
「星読みの講座で、『楽しいことを書いてください』と言われ、それは書けたんですけど、『イヤなことや嫌いなことを書いてください』と言われたときに、ひとつも書けなかった」
その事実に衝撃を受けたあやみん先生は、書けなかった理由をこう考えた。
「そのころの私は『これはイヤだ』とか『こういう人は嫌い』と言ったら世界中から嫌われるように感じていて、極力それを言わないようにしていたんですね。イヤなことがないわけではないけれど、それを言葉にしないように、潜在意識に押し込めていた」
それに気づいたことで、「私は本当は何を感じているんだろう」、「自分がイヤなことって何だろう」と知りたくなったという。
「ファッションには人生を変える力がある」と言うあやみん先生。
「1か月くらい前、東京家政大学のファッション心理学の教授からの依頼で、私の受講生約140人(卒業生含む)に『似合う服を着ることで自己肯定感が上がるか?』というアンケート調査を行いました。それに対して、ほぼ100%の人が『上がる』と答えました」
「似合う服がわかる」ということはすなわち自分のことを知り、自分がこれからどうしていきたいかがわかること。生き方に迷いがなくなるということなのだ。
あやみん先生は言う。
「自分に似合う服は、みんな心の底ではわかっているんです。忘れているだけ。だから、私が似合う服を教えるのではなく、答えは自分の中にあるのです」
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