高橋惠子さん・71歳「75歳で新しく生まれ変わる予定」人と比べず、いくつになっても自由に生きる
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依田邦代
いわゆる“陽キャ”ではなく、陰のある役が多かった高橋惠子さん。でも、本当は喜劇がやりたかったのだとか。ひとつのことを積み上げて権威になることに魅力は感じず、「一か所に根を張ることは苦手」なのだとも。とらわれずに自由に生きたいという思いは年齢を重ねるほどに強くなり、「75歳に向けて、また新たな挑戦を考えている」というその胸の内を聞きました。
Profile
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高橋惠子さん 俳優
たかはし・けいこ●1955年、北海道生まれ。70年に最後のニューフェースとして大映に入社。同年、映画『高校生ブルース』で主演デビュー。同年の映画『おさな妻』でゴールデン・アロー賞新人賞受賞。その後、映画、テレビドラマ、舞台とジャンルを問わず活躍。ドラマ「太陽にほえろ!」に女性警官シンコ役でレギュラー出演。2012年、『カミハテ商店』で23年ぶりに映画主演。21年、66歳でミュージカル初主演。11月3日~25日、京都・南座にて爆笑喜劇『三婆』に出演予定。
実は「お笑い」好き。爆笑喜劇に挑戦
15歳のとき映画『高校生ブルース』でデビュー以来、71歳の現在まで女優ひとすじに歩んできた高橋さん。これまで映画、ドラマ、舞台などで、さまざまな役を演じてきた。
「若い頃はずいぶん悲劇的な役が多かったんです」とふり返る。
「プライベートではそんなに悲しい人生でもなかったのに……。これってちょっと割に合わない、損しているのでは? と思いましたね。60歳を過ぎたら喜劇だけやりたい、なんて思ったこともありました。さすがにそれは無理でしたけど(笑)」
喜劇のイメージはほぼない高橋さんだが……。
「そう願っていたら11月に喜劇の舞台に出演することになりました」
京都・南座で上演される爆笑喜劇『三婆』。ときは昭和38年、本妻、愛人、小姑らがひとつ屋根の下で暮らすことになる物語だ。高橋さんは本妻役。
「生活の仕方も、価値観も違う人たちがひとつ屋根の下に集まったら、そりゃあ、もめますよね。でも、そのもめ方がおもしろいんです」
もともと「お笑い」は好きで、子どもの頃からテレビで「笑点」や松竹新喜劇の藤山寛美さんにも親しんでいた。
「でも、喜劇はお芝居の中で一番難しいんです。気持ちだけで演じるものではなく、どう見せるかが大事。間合いやお客さんとの呼吸がぴったり合わないとおもしろくならない」
難題にあえて挑戦することが楽しいという。
「隣の人をたたきながら、涙を流して大笑いしてもらいたい。そして、爆笑の中にも思わずホロリとする舞台にできたら」と抱負を語った。
人は人、私は私。先輩らしく振る舞う必要はない
女優歴56年の高橋さん。大ベテランと言っていいキャリアだが、本人にその意識は薄い。
「若い俳優さんたちと一緒のときは、先輩ではなく友達みたいな関係でいるほうが楽しいです。20代の女優さんたちに『同級生の惠子ちゃんだと思って』なんて言っています(笑)」
最初は困惑気味に「そんなことできません」と言われるが、次第に親しくおしゃべりできる関係になっていくという。
「彼女たちの本音も見えてくるし、若い人が持っている情報も教えてもらえて、先輩面しているより、ずっと得るものが多いんですよ」
「後輩に指導するべき」という考えもない。
「先輩らしくするのが似合う人はやったほうがいいけれど、私はそういうタイプじゃない。仕事ぶりを見て感じてもらえれば、と思っています。押しつけるのは好きじゃないし、私自身も『すごいな』とか『ああいう感じ、いいな』と思った先輩から盗んできました」
「人それぞれでいい」「同じである必要はない」という考え方だ。
「『十人十色』という言葉がすごく好き。せっかく違う顔で違う姿で生まれてきたのだから、同じになる必要はないし、その人らしさを生かすほうがいいんじゃないでしょうか。結果、そのほうがうまくいくと思うんです。自分にないものを求めて苦しい思いをするよりも」
