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人気ブランディングスタイリスト【あやみん先生】介護、看取り、離婚……暗闇の20年を経て「今が一番楽しい」

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ゆうゆう編集部

ユーモアに富んだワードセンスで、ファッションに悩める女性に寄り添う「あやみん先生」こと冨永彩心さん。50歳を過ぎて起業し、人気のブランディングスタイリストになるまでは、「立ち上がろうとさえしなかった」諦めの20年がありました。

PROFILE
冨永彩心さん(あやみん先生)/ブランディングスタイリスト

とみなが・あやみ●1967年生まれ。
専門学校卒業後、スタイリストとして活動。結婚・出産を機に主婦に。販売員として復職したのち、52歳で独立。
開催する講座はまたたく間に満席になる人気ブランディングスタイリスト。

『45歳からの「似合う」が見つかるおしゃれ塾』

主婦の友社/1650円

45歳以上の洋服選びに悩む女性のための指南本。「好きな服だけ着て生きる」のテーマのもと、自分をよりよく知って、似合う服を見つけるためのヒントが詰まっている。

「ファッションが好き」という小さな炎はつらいことが続いても消えなかった

取材でお邪魔したのは、あやみん先生が定期的に開催しているスタイリスト養成講座。この日も全国から生徒さんが集まり、真剣な眼差しであやみん先生のレッスンを受けている。

「大好きなファッションの仕事ができて、今が一番楽しいですね。でもそう言えるようになったのは、50歳を過ぎてから。それまでは、いろいろなことを諦めてきた人生でした」

座学から実践まで学べる人気講座

「洋服選びに迷っている人は人生に迷っている人」と話すあやみん先生。「似合う」を知ることは、自分を知ることにつながる。

結婚・出産後、一度はキャリアを諦めた

20代、ファッション誌を中心にスタイリストとして活動していたあやみん先生。仕事も子育てもバリバリこなすワーキングマザーに憧れ、結婚・出産後も仕事を続けるつもりでいた。

「当時第一線で輝いていた松田聖子さんのような生き方に憧れていました。でも現実はそう甘くはありませんでした(笑)」

32歳のときに娘を出産して、ほどなく仕事に復帰。

「幸い夫の実家が近かったため、娘が幼稚園から帰ると夕方以降は義母に面倒を見てもらう毎日でしたが、義母には私の選択を理解してもらえませんでした。母親がそばについていて当たり前、そういう時代でしたから。同時に、私自身も仕事を以前のようには楽しめなくなっていました。仕事中も娘や義母のこと、帰宅時間ばかりが気になってしまい、集中できない。そのうちに仕事もうまくいかなくなり、大好きだった仕事を諦めて、家庭に入る決意をしました」

パートと育児に追われる普通の主婦だった30、40代

主婦として家族ファーストで過ごしてきた30代、40代。

「ファッションへの関心は薄れていませんでしたが、今の私からは想像がつかないほど、落ち着いた服装でしたね」と笑うあやみん先生。

「生活の中心は常に育児でした。さらに、娘が思春期に突入した頃、入学した中学校になじめず、いっときも目が離せない状態になりました。私は娘との時間をもつため、ファッションとの唯一のつながりだった手芸材料店のパートを辞めて、通勤に時間がかからない近所の施設の事務に転職しました。

同じ頃、近所に住んでいた義父ががんで他界。残された脚の悪い義母を自宅に引き取り、同居を始めることになりました。そこから、義母が亡くなるまで7年間の介護が始まります」

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