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夫が先に死んだら家計はどう変わる? もしものときの年金の減少額と妻の支出傾向は?

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畠中雅子

厚生労働省によると、日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(2021年)。平均寿命の差からいうと、妻より夫が先に亡くなる可能性は大きいといえるでしょう。もしも夫が先に死んだら、家計はどうなるのでしょう。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに教えていただきます。

年金額は減少する

夫が亡くなっておひとりさまになると、まず、大きく変わるのが収入(年金額)です。「夫の老齢年金の4分の3の遺族年金がもらえる」と思っている人が多いのですが、気をつけたいのは、夫の年金のうち、老齢基礎年金(国民年金)は遺族年金の対象ではないこと。

遺族年金として受けとれるのは、夫の老齢厚生年金(厚生年金)のおおよそ4分の3です。たとえば夫の年金全体が15万円とすると、遺族年金は6万4000円程度が目安。妻が専業主婦の場合、それに自分の老齢基礎年金を加えた額が、夫亡きあとの年金額になります。

男女の平均寿命差からいって、夫が妻より先に亡くなる可能性は大きいといえます。遺族年金の正確な額は年金事務所で教えてもらえるので、夫が元気なうちにいっしょに出向いて確認しておくといいでしょう。

例:夫が亡くなったら、年金額はどうなる? 

※夫婦とも老齢基礎年金を満額もらっていた場合。妻は専業主婦の場合。

夫 老齢基礎年金6万4000円+夫の老齢厚生年金8万5000円=14万9000円
妻 老齢基礎年金6万4000円
合計21万3000円

おひとりさまになったら
妻 遺族厚生年金約6万4000円+自分の老齢基礎年金約6万4000円=12万8000円

妻が自分の老齢厚生年金をもらっている場合で、夫の老齢厚生年金が多い場合は、差額分が夫の年金から上乗せされます。少ない場合は、継続して、自分の老齢厚生年金を受けとります。夫が自営業などで国民年金の場合は、子どもが高校生以上になると遺族年金は出ないので、そのつもりで準備をしましょう。

交際費の使い過ぎに気をつけて

夫が亡くなりおひとりさまになれば、年金は減りますが、一方で、夫の分の食事代や洋服代、こづかいなどがなくなり、生活費も縮小します。女性は自炊で食費をおさえられますから、遺族年金の範囲で暮らすのはそれほど難しくないはずです。

問題は、夫を失った喪失感から、友だちと頻繁に外食や旅行に出かけて、交際費やレジャー費が増える人が多いことです。気がつくと、大事な老後資金を使い込んでしまって、後期高齢期に貯蓄が底をつくケースも少なくありません。

破綻を防ぐためには、目先の出費や月の生活費だけでなく、先々のお金の流れを見通す必要があります。貯蓄がいくらあって、将来どんなお金がいくらかかるかを予想して配分しておけば、今使っていいお金がわかって使い過ぎを防げます。

また、ひとり遊びの楽しみも身につけておきたいもの。友だちといっしょに出かけると、友だちの買い物につきあってムダづかいし、疲れたからとお茶を飲んでまたお金を使って……と出費がかさみがちです。それ自体は決して悪いことではありませんが、いつも友人がつきあってくれるとは限りません。

ひとり時間を充実させることが、精神的にも経済的にも老後を豊かにしてくれます。



※この記事は『おひとりさまの大往生 お金としあわせを貯めるQ&A』畠中雅子著(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
※2022年10月21日に配信した記事を再編集しています。

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