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遺族年金、そして離婚時の年金分割―女性のための年金完全ガイドー

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ゆうゆう編集部

男性よりも寿命が長い女性は、自身の年金についてしっかり把握しておきたいもの。とはいえ、年金制度はかなり複雑で、もらえる額には個人差が。さらに、死別や離婚などの人生の転機は年金額にも影響を与えます。今回は、女性の年金について、「年金博士」の北村庄吾さんが基本から解説します。

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年金のキホン

公的年金制度には、自営業者や学生などが加入する「国民年金」と、会社員・公務員などが加入する「厚生年金」があり、2階建てになっています(図表1)。

要件に該当すれば、それぞれから「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」のうち、原則いずれかの年金が受給できます(図表2)。

「老齢年金」は老後に、「障害年金」は病気やけがで生活や仕事が制限されるようになったときに加入者本人が、「遺族年金」は加入している(加入していた)方が亡くなったときに、残された遺族が受け取るものです。

人生の転機と女性の年金①~遺族年金~

女性は老後が長いため、ライフプランを考えるときに、夫が先に亡くなる可能性を想定しておきたいもの。そこで知っておきたいのが「遺族年金」です。「遺族年金」は2種類あり(図表2)、国民年金からは「遺族基礎年金」が、厚生年金からは「遺族厚生年金」が、いずれも亡くなった方の加入状況や遺族の状況に応じて支給されます。

では夫が亡くなった場合の「遺族年金」について見ていきましょう。

国民年金からの支給~自営業の方~

「遺族基礎年金」は、亡くなった夫に生計を維持されていた高校生までの子(18歳年度末まで。一定の障害がある場合は20歳未満)がいる配偶者またはその子が受給できます。夫婦に子どもがいない場合、すでに全員が成人しているなどの場合には受給することができません。ただし、そうした場合でも、夫が3年以上保険料を納めていれば「死亡一時金」、夫が10年以上保険料を納めていて婚姻期間が10年以上であれば「寡婦年金」のいずれかを受給できます(図表3)。

「遺族基礎年金」の額は年額78万900円で、これに子の加算額がプラスされます。加算額は年額で、第1子・第2子が1人につき22万4 7 00円、第3子以降は1人につき7万4900円です。

「死亡一時金」の額は、夫が保険料を納めた月数に応じて12万〜32万円、「寡婦年金」の額は、原則、夫がもらうはずだった老齢基礎年金の4分の3相当です。老齢基礎年金や後述する老齢厚生年金の額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できるので、一度ご覧になっておくとよいでしょう。

厚生年金からの支給~会社員・公務員の方~

「遺族厚生年金」は、亡くなった夫に生計を維持されていた妻や子の他、孫や、父母、祖父母が受給できます。子や孫の年齢要件は「遺族基礎年金」と同じですが、妻については、子の有無を問いません。

「遺族厚生年金」の額は、原則、夫がもらうはずだった老齢厚生年金の4分の3相当です。夫が亡くなったときに40歳以上で遺族基礎年金が受給できない一定の妻には、「中高齢寡婦加算」として65歳まで年額58万5700円が加算されます。

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