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シニア専門の歯科医がすすめる【正しい歯の磨き方】歯ブラシ時間は何分?歯間ブラシは毎回やるべき?徹底解説

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ゆうゆう編集部

人生100年時代といわれる今、健康長寿のカギを握るのが「歯」。年齢を重ねると生じやすい歯の問題とは何か、歯と体にはどんなつながりがあるのか。いつまでも元気でいるための秘訣を老年歯科の専門医に伺いました。

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>>【50代からの歯のお手入れ】歯を失ったら…?医師が解説する「インプラントOKな場合とNGな場合」

お話を伺ったのは
水口俊介さん 老年歯科専門医

みなくち・しゅんすけ●東京医科歯科大学(現・東京科学大学)歯学部卒業。
同大学歯学部附属病院長を経て、2024年より同大学名誉教授。
現在は西東京歯科医院 本院にて診療を担当。
近著に『からだの「衰え」は口から 歯と健康の科学』(講談社)。

1日1回でもいいから時間をかけて丁寧に磨いて

虫歯や歯周病を予防し、口の健康を維持するためには、歯磨きによる毎日のセルフケアが重要。

「まずは正しい歯の磨き方を知り、身につけていただきたいと思います。歯ブラシで磨く前に歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間をきれいにしておきましょう。歯ブラシで10〜15分、歯間ブラシなどの時間を含めると20〜30分かけて丁寧に磨くことが大切です」

1回の歯磨きに20〜30分かけるのはやや厳しい気が……。

「食事のたびにしっかり歯磨きをするのが理想的ですが、それはなかなか難しいですよね。だから丁寧な歯磨きは1日1回でOK。夕食後に時間をかけて一本一本磨くのがいいと思います」

こうした正しい歯磨きを毎日実践しても、残念ながら磨き残しは避けられない。

「口の中の状態は人それぞれなので、定期的に歯科医師や歯科衛生士にチェックしてもらうこと。歯科衛生士が『ここはこう磨いて』と指導してくれるし、その人に合った歯ブラシも教えてくれます。そのためにも、かかりつけ歯科医をもつことがとても大事です」

そして、歯磨きに加えて「社会性も大事」と水口さん。

「最近は元気なシニアが増えてきて、65〜69歳では約半分、70〜74歳でも約3分の1の方が職に就いているそう。そんなふうに社会性をもって生活していれば、人に会うために身なりを整え、歯を磨いてきれいにしようというモチベーションが保てます」

正しい歯の磨き方

小刻みに動かす

歯ブラシを5〜10㎜幅で小刻みに動かしながら、1〜2本ずつ磨く。強い力でゴシゴシせず、歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で動かすこと。

歯と歯肉の間は45度に当てる

歯と歯肉の境目に対しては、横にした歯ブラシの毛先を45度の角度に当てて、5㎜程度の幅で動かす。プラークがたまりやすいので、より丁寧に。

平らな面は90度に当てる

歯の平らな面(歯の表面、歯の裏側、上下の歯がかみ合うかみ合わせ面)は、歯ブラシを横にして磨く面に対して90度に当て、横方向に動かす。

歯並びの悪いところはタフトブラシで

歯並びに凹凸のあるところや歯と歯の間は歯ブラシを縦方向に動かす。通常の歯ブラシで届きにくいところは、タフトブラシを使って歯磨きを。

歯間ブラシやデンタルフロスを併用

年齢を重ねるにつれて歯と歯の間にすき間ができ、プラークがたまりやすくなる。通常の歯ブラシでは取り除きにくいので、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間もしっかりプラークを除去しよう。

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取材・文/本木頼子

※この記事は「ゆうゆう」2025年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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