くしゃみや咳で尿漏れが! 一瞬でピンチを切り抜けるおすすめのポーズ
くしゃみや咳が出る瞬間、「尿もれしたらどうしよう」という不安が頭をよぎったことはありませんか。外出先だったり、尿漏れの経験がある方なら、なおさら心配ですよね。とっさの時に尿漏れを回避する方法があれば、心強いもの。日本泌尿器学会専門医の関口由紀さんに教わりましょう。
くしゃみや咳で、なぜ尿漏れするの?
くしゃみや咳をするとき、なぜ尿がもれてしまうのでしょう? 以前はそんな心配をしたことはなかったですよね。
思わず尿がもれてしまうのは、「腹圧」と関係しています。
まず、尿漏れと腹圧の関係について、簡単にみていきましょう。
尿は腎臓でたえまなくつくられていて、少しずつ膀胱に送られてきます。膀胱は尿をためる臓器です。伸び縮みする筋肉でできていて、ためられる尿の量は、およそ300〜500㎖程度。
普通は、尿が膀胱に満タンになるまで、膀胱の収縮を脳が抑えていて、尿はもれません。膀胱に尿がいっぱいになると、脳から『排尿せよ』という指令が出ます。すると尿道の筋肉がゆるみ、膀胱の筋肉が収縮して自然に尿が出てくるという仕組みになっています。
ところが、ちょっと運動をしたり、重いものを持ったりすると腹圧がかかるため、膀胱が圧迫されます。尿道周囲の骨盤底筋群が弱くなっていると、尿意がないのに尿がもれてしまうというわけです。
脳からの「排尿せよ」という指令とは関係なく、尿がもれてしまう。これを「腹圧性尿失禁」といいます。くしゃみや咳で尿漏れするのは、このケースです。
腹圧がかからない姿勢をとる
「あ、くしゃみが出そう!」
瞬時にピンチを切り抜けるには、背すじをピンと伸ばして姿勢を正しくしてみてください。
「たったそれだけ?」と驚かれるかもしれませんね。たったそれだけで、骨盤の向きが変わるため、腹圧がかからなくなります。すると骨盤底への圧力が弱まり、尿もれを防ぐことができるのです。
日ごろから骨盤底筋群を鍛えておけば、さらに安心
くしゃみや咳をするとき、または重いものをもったりするときに尿漏れが不安な人におすすめなのが、骨盤底筋トレーニングです。
「おなかに力を入れた瞬間にもれる」「がまんできずにもれる」などの困りごとを改善したいときの定番ですから、ぜひ覚えておきましょう。
骨盤底の筋肉というのは、ふだんの生活では鍛えにくい場所にあります。体の奥にあるインナーマッスルなので、イメージしづらいかもしれませんね。日ごろから意識して骨盤底筋トレーニングを行い、強化しておくことが大切です。
骨盤底筋トレーニングを2、3カ月続けると、7〜8割は症状が改善するといわれます。
今回は、座っているときにできる、基本の骨盤底筋トレーニングを紹介しましょう。
【1】姿勢を正してイスに座ります。
【2】ちつと肛門をキュッと締めます。
【3】ちつと肛門を締めたまま、息を吐きながら4〜5秒かけて、グーっと上方向(胃の方向)に持ち上げます。
【4】息を吸い、力を抜いてリラックスしましょう。
★目安★
【1】〜【4】で1セット。5回繰り返しましょう。
電車の座席や会議中でも、座ってできる骨盤底筋トレーニングです。
鍛えれば鍛えるほど強化され、機能がアップしていきます。ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
※この記事は『「トイレが近い」人のお助けBOOK』関口由紀監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
女性医療クリニックLUNAグループ(横浜元町)理事長
関口由紀
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授
インターネットサイト フェムゾーンラボ社長
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本東洋医学会認定専門医・指導医
日本性機能学会認定専門医
日本排尿機能学会認定専門医
医学博士
経営学修士(MBA)
日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授
インターネットサイト フェムゾーンラボ社長
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本東洋医学会認定専門医・指導医
日本性機能学会認定専門医
日本排尿機能学会認定専門医
医学博士
経営学修士(MBA)
日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医
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関口由紀監修
主婦の友社刊
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