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【観葉植物の育て方 Q&A】元気がない、葉が落ちた、旅行中は、虫対策、お風呂に置いていい? 18の質問にプロが回答

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園芸ガイド編集部

虫の困った!

Q 15「室内での虫対策は?」

置き場所や植物の状態など、さまざまな要因で害虫が発生することがあります。観葉植物に発生しやすいのは主にこの3種類です。

<カイガラムシ>植物の樹液を吸い、多発すると植物にダメージを与えるとともに、透明や白い綿状の分泌液を出し、葉をべとつかせ、この樹液を栄養源とするカビが黒いすすのように葉を覆う「すす病」が発生します。

ハダニ>成虫になると赤茶色になるダニで葉の裏などに寄生します。樹液を吸い、被害が進むと葉の緑色が抜けて、葉面が白っぽくカスリ状になります。

<コナジラミ>白い小さな虫で、葉などをゆらすと飛び交います。被害が進むとハダニ同様に葉の緑色が抜けてしまいます。

これらの防除方法としては、空気の流れをよくするために、換気をこまめに行ったり、霧吹きで葉水をしたり、ふきんで葉面を水拭きするなどしながら、日々チェックを行うことです。葉裏のチェックも忘れずに!

Q 16「虫を発見! どうしよう!」

害虫を見つけたら、まず、ふきんや歯ブラシなどを使って取り除きます。その後、対象害虫に適用のある殺虫剤の散布を行います。室内での散布が厳禁なので、薬剤を使用するときは植物を屋外に移動させてから行います。

また、葉や枝、幹などの表面が黒いすすのようなもので覆われる「すす病」になったら、適用のある殺菌剤を散布します。

【観葉植物の育て方 Q&A】元気がない、葉が落ちた、旅行中は、虫対策、お風呂に置いていい? 18の質問にプロが回答(画像3)

殺虫剤は必ず屋外で利用しましょう。

カイガラムシ、ハダニ、コナジラミといった吸汁性害虫は小さくても繁殖が旺盛で、短期間で生息数が増えます。早期発見、防除することで被害を最小限に抑えることが大切。一日1〜3回の霧吹きや葉を拭いたりする日々のお手入れが、植物を健やかに育てるポイントです。

Q 17「土からコバエが! どうしたらいい?」

薬剤を使わない場合は、コバエは鉢土の表面に卵を産みつけるため、その部分の土を取り除き、無機質の赤玉土を上からかぶせます。取り除いた土は、卵が孵化しないように殺虫剤をまいて処分します。

Q 18「土にカビが発生! どうしたらいい?」

観葉植物の土には栄養がたくさんあり、水で常に湿っています。高温多湿や日陰、風通しが悪いとカビが繁殖しやすくなってしまいます。カビは見えている以外にも生えている可能性があるので、培養土などの有機堆肥の配合が少ない土に全体を新しくするといいでしょう。

同じ植木鉢を使う場合は、消毒してから使います。プラスチック鉢は水と漂白剤に入れたバケツに浸し、テラコッタは熱湯をかけ、しっかり乾かします。



※この記事は『はじめよう!観葉生活』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

監修者
堀田裕大

「グリーンギャラリーガーデンズ」店長

東京八王子の園芸店「グリーンギャラリーガーデンズ」店長。初心者でも簡単に作れて見栄えがする寄せ植えの提案など、園芸雑誌でも活躍中。ガーデンズではYouTubeでもオリジナルコンテンツを配信。

東京八王子の園芸店「グリーンギャラリーガーデンズ」店長。初心者でも簡単に作れて見栄えがする寄せ植えの提案など、園芸雑誌でも活躍中。ガーデンズではYouTubeでもオリジナルコンテンツを配信。

はじめよう! 観葉生活

主婦の友社編

「はじめになにを買おう?」「今度はどれにしよう?」お気に入りの「ひと鉢」がかならず見つかる観葉植物ガイド。

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鉢カバーとは、観葉植物や花の鉢にかぶせて装飾性を高めるアイテムです。植木鉢を直接隠すことで室内や屋外のインテリアとして活用され、素材はプラスチック、陶器、金属、木製など多種多様です。ガーデニング初心者でも手軽に雰囲気を変えられるうえに、受け皿としての役割を果たす場合もあります。選ぶ際は、通気性や排水性を考慮して適切なものを選ぶことがポイントです。

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観葉植物とは、花よりも葉の形や色、質感の美しさを楽しむことを目的とした植物の総称です。モンステラ、ポトス、カラテアなどが代表的で、インテリアグリーンとして人気があります。育てやすく空間に潤いを与えるため、初心者からベテランまで幅広い層に愛されていますが、室内管理には日照・温度・湿度・空気の流れなど、繊細な配慮が必要です。身近に置いて葉の表情を見て、植物と会話する感覚が味わえるのも魅力の一つです。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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根腐れとは、土の水はけが悪いことによって、植物の根が腐ってしまう状態をいいます。肥料の与えすぎでも根腐れが起こることがあります。根腐れをほうっておくと、葉がしおれたり枯れたりします。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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光合成は、植物が太陽の光をエネルギー源にして、二酸化炭素と水から酸素と栄養(糖)を作り出す生命活動の基本です。葉の中にあるクロロフィル(葉緑素)が光を受けることでこの反応が起き、植物の生長だけでなく、地球上の酸素供給にも関与しています。ガーデニングでは、植物が光合成しやすいように日当たりを確保し、葉を健康に保つことが重要です。日陰を好む植物でも、ある程度の光が必要であるため、「光と植物の関係」を理解しておくことは、育てる楽しさを深めてくれます。

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亜熱帯とは、熱帯と温帯の中間に位置する気候帯で、日本では沖縄や奄美大島、小笠原諸島などが該当します。冬でも気温が高く、霜が降りにくいため、熱帯植物や寒さに弱い草花の栽培に向いています。ブーゲンビリアやハイビスカス、マンゴーなどがよく育ちますが、開花に冬の寒さが必要なチューリップなどは咲きにくいとされます。高温多湿による病害虫の発生には注意が必要です。

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ハダニは、庭や鉢植えでよく発生する小さな害虫で、植物の葉裏に付着し汁を吸うことで被害を与えます。暖かく乾燥した環境を好み、特徴的な斑点模様や葉の変色、枯れを引き起こします。特にバラや観葉植物で被害が目立ち、防除には葉水や専用の薬剤が有効です。定期的な水やりや湿度の管理で予防を心がけることも重要です。

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葉水とは、霧吹きなどで植物の葉に直接水をかけることをいいます。乾燥を防ぎ、ハダニなどの害虫対策にもなります。特に室内で育てている観葉植物は空気が乾燥しやすいため、葉水で適度な湿度を保つことが大切です。シリンジとも呼ばれます。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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堆肥とは、落ち葉や草、野菜くずなどの植物性廃棄物や動物のふん尿などを発酵・分解させて作られる有機質肥料の一種です。土壌の改良や植物の育成を助ける役割があり、ガーデニングでは土の栄養補給やふかふかな土壌づくりに欠かせません。自家製の堆肥を作ることで廃棄物の再利用が可能になり、環境にも優しい方法として注目されています。発酵の過程で微生物が活躍するため、適度な湿度と空気の供給を保つことが重要です。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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