おひとりさま必見!プロが解説する「老後資金作り」と「家計の赤字」対策とは?
ひとりで老後を迎える「おひとりさま」が増えています。おひとりさまを自ら選んだ方もれば、配偶者に先立たれ、思いがけず、おひとりさまとなる方もいらっしゃるでしょう。今回はそうしたおひとりさまをめぐる昨今の状況と家計について北村庄吾先生に伺います。
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おひとりさまは増えている
65歳以上のひとり暮らし世帯が増えています。65歳以上の男性の15%、女性の22%にも上ります。この割合は今後さらに増えていき、2040年には65歳以上の男性の5人に1人、女性の4人に1人がおひとりさまになる見込みです。
おひとりさまが増えるわけ
おひとりさまの増加を後押ししている要因の一つは、少子高齢化です。2年後の25年には65歳以上の方が人口の3割を占め、超高齢社会はさらに進展します。
50歳時点の未婚割合を示す「生涯未婚率」が上昇していることも大きな要因です。
22年に発表された調査では、男性の3・5人に1人、女性の5・6人に1人が生涯未婚という結果が出ています。
男性の平均寿命は81・47 歳、女性は87・57歳と6年もの開きがありますので、結婚しているかどうかにかかわらず、女性は誰しもおひとりさまになる可能性を考えておく必要があるでしょう。
おひとりさまの家計① ~家計調査から~
おひとりさまの家計に関する調査では、月平均の収入は約13万5000円、支出は約14万5000円となっており、毎月約1万円不足していることがわかります(図1)。
老後の収入の大半を占めるのは公的年金ですが、その受給額を調べた別の調査によれば、女性の老齢年金(厚生年金を含む)の平均受給額は約11万円と少ないため、毎月の不足額はさら増えることになります。女性のおひとりさまが、年金だけでは生活できない現状が見えてきます。
おひとりさまの家計② ~夫に先立たれた場合~
次に、夫に先立たれ、おひとりさまになった場合、年金額がどのように変化するのかを見ていきましょう。
遺された妻には、要件を満たせば、国民年金から支給される自身の「老齢基礎年金」と、厚生年金から支給される夫の「遺族厚生年金」があります。図2に、夫の死亡前・後の年金額を試算しました。
夫の死亡後、年金額はそれまでの6割にまで減少します。おひとりさまになったからといって、生活費が即半分になるわけではありませんから、それまでの生活スタイルを大幅に見直す必要が出てくるでしょう。