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ソウルも桜が満開! 昔ながらの街並みが残る北村~三清洞は散歩が楽しいコース

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鈴木ちひろ

人の波が戻りつつある北村韓屋マウル。空気が悪いのでマスクの用意を

昔の貴族・両班(ヤンバン)が住んでいた街として知られる北村には、韓国の伝統家屋である韓屋が軒を連ねます。ソウルの街並みが見下ろせる高台にあるため、絶景スポットとしても人気。コロナ渦の2021年に訪れた際は人っ子一人いないさみしい状況でしたが、今回私が訪れた3月末には日本や東南アジアなど、海外から訪れた観光客も多くみられました。

日差しも暖かく、3月とはいえ気温は20度超。普通なら「天気がよくてラッキー!」と思うところですが、春の韓国はそうはいきません。それはミセモンジのせい。ミセモンジとは、漢字で書くと微細モンジ(ほこり)となり、肉眼では見えない小さなほこりのことをさします。PM2.5よりも粒子が大きいと言われ、10年ほど前から急激に悪化し、毎年3月から4月はこのほこりに全国民が悩まされています。

本来なら真ん中あたりに見えるはずの南山タワーがうっすらとしか見えません。ミセモンジがひどい日は目がかゆくなる人も多く、学校や保育園では屋外での活動を中止します。

北村から景福宮を見て。春の暖かい日は特に空気が悪く、空は淀んでいます。昔、長男が小さいころに空の色を聞いたとき、灰色と言われてショックを受けたことがありました。

桜の名所・正読図書館はベンチもたくさんあってお花見にぴったり!

ミセモンジで気分が下がり気味でしたが、次は北村から少し歩いて正読図書館へ。

ここは北村と三清洞のちょうど間あたりに位置する、ソウル市が運営する図書館です。1977年に開館して以来、図書館としてだけでなく、広い園内には緑もあふれ、市民のオアシスとして親しまれています。桜の時期は特に人出が多くなり、私が訪れた日も平日の午前中にもかかわらず駐車場は満車でウェイティング。韓服(チマチョゴリ)を着た外国人もいました。

桜をバックに撮影を楽しむ人も。奥にはなぜかムーミンの絵が展示されていました。気になって調べたところ、これは2022年末まで開かれていたこどもの日100周年を祝うイベントの際に使われたもののようで。イベントが過ぎても延々と展示しているのは、韓国ならではです。

ソウルの桜の多くは戦後、在日韓国人によって寄贈されたのだそう。ちなみに、韓国人は日本人のようにゴザを敷いてお花見&宴会をすることはあまりなく、友人と手や腕を組みながら散歩を楽しみます。

図書館の一角で桜とレンギョウが共演していました。レンギョウは韓国語ではケナリと言い、春を知らせる花としてさまざまなところで群生しています。

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