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【らんまん】万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)が呼び捨てで名前を呼び合う光景は微笑ましいが、同時に寂しさも

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田幸和歌子

一方、寿恵子は万太郎が来ないことが気になって仕方ない。まつに万太郎との関係を聞かれても「ただかるやきを食べさせてあげたい」と答えるだけだったが、それが「なんで来ないのか知りたいけど、邪魔はしたくない」という思いに、さらに「嫌われたんだと思う」「あんな人、最初からいなかった」「こんなに辛いなら」と本格的な恋心に変わっていく。

そんな寿恵子にまつは、「そんなに辛いなら、もう待つのやめなさいな」と言い、自身の人生を「妾冥利に尽きる」と振り返りつつ、実感の伴う言葉を投げかける。「誰かを待つことを暮らしの真ん中に置いちまうと、何をしてても寂しさでいっぱいになっちまう。まるで自分が値打ちのない、気持ちになるからね」

そしてまつはこんな「奥の手」を教えるのだ。「いつだって自分の機嫌は自分でとること」

正直、寿恵子パートは心理描写も思考も言葉選びもやや現代的で、メッセージもストレートすぎる気がしなくもないが、SNSでは非常に多くの女性視聴者に刺さったようで大絶賛だった。

ちなみに、まつが寿恵子に万太郎の「宣言」を正確に伝えていたら、来ない理由がわかり、寿恵子がこんなに悩むこともなかった気はする。しかし、伝えないのは、それにより娘が縛られることを恐れた親心からだろうか。

今週美しさを感じたのは、画期的な「石版印刷」の登場により、彫り師や刷り師が時代から消えていく栄枯盛衰を描いたかに見せ、技術へのリスペクトを植物になぞらえて表現したこと。「散っていったとしても、それは消えたがじゃない。新たな場所に根付いて、そして芽吹いていくがじゃと思います」「磨き抜かれたもんは、決してのうならん。新しい場所におうた形で変化し、もっと強うなって生き抜いていく。それが生きちゅうもんらの理ですき」

猛スピードで変化する時代の波に巻き込まれ、すれ違い始めた万太郎と寿恵子の恋の行方が気になる。

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