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おひとりさまの入院、身元保証はどうする? 親族に保証人を頼めない場合に知っておきたいサービスとは?

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ゆうゆう編集部

身元保証と死後事務はセットで依頼する

生きているあいだの身元保証サービスは「生前の契約」になりますが、亡くなった後のサポートである「死後事務」についても、委任できる会社が多くなっています。身元保証と死後事務は、セットで契約するのが一般的です。

死後事務とは、遺体の搬送や葬儀、火葬、納骨の手続き、死亡届の提出や健康保険、公的年金などの脱退手続き、住居の片づけやライフラインの停止手続き、不用品の処分、デジタル情報の消去など、死後必要となる手続きのことです。亡くなった後は、葬儀の手続きだけではなく、生活まわりのさまざまな手続きが発生しますが、その手続き全般を死後事務として委任できるのです(表2)。

死後事務を委任する際は、葬儀のプランも検討したうえで、契約するのが一般的です。葬儀の希望を出して葬儀費用を見積もってから、葬儀費用を含めた死後事務にかかる費用を身元保証の会社に預けます。亡くなった後の費用まで預けることで、死後に必要な事務を託せるのです。

預かり金の保管方法は会社に出向いて確認する

お子さんのいない方にとって、身元保証や死後事務のサービスは心強いものになりますが、気になるのは、預けたお金の管理方法。葬儀代まで預ける場合、100万円を超えるまとまったお金を託すことになるからです。

利用者からの預かり金は、信託銀行に預けたり、第三者機関を独自に設立したり、弁護士や司法書士などの専門職に託したりと、会社ごとに対応が異なっています。

実は7年くらい前のことですが、当時、日本で最大手といわれていた身元保証の会社の経営が行き詰まりました。事業再建を目指したもののうまくいかず、利用者の預けたお金の多くが戻りませんでした。そのうえ、頼りにしていた身元保証や死後事務が実行されなくなってしまったのです。

身元保証の会社は、「○○○○法人」や「協会」などの文字がついていても、民間法人です。葬儀代などのまとまったお金を預けるわけですから、預けたお金の管理方法については、資料を読むだけではなく、会社に出向いて、具体的に説明してもらうくらいの慎重さが必要です。亡くなった後のことを心配せず旅立てるようにするため、くれぐれも慎重に会社を選びましょう。

監修者

ファイナンシャル・プランナー

畠中雅子

ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。

ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。

⚫︎法制度などは、2023年5月末現在のものです。

※この記事は「ゆうゆう」2023年8月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

ゆうゆう2023年8月号

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