名書店員に聞く【おすすめの本】3選。感動を呼ぶ実話小説、大人が読みたい絵本など
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ゆうゆう編集部
家で味わえる楽しみを届けたい!
徳島県下で7店を展開する「平惣」。創業はなんと1739年(元文4年)。徳川吉宗の治世、享保の改革が行われた頃という老舗企業だ。
「『平惣』の特徴のひとつは、地元密着型書店ということ。社訓に『地域社会を文化で結ぶ』とあるように、徳島にゆかりのある本や著者を応援しています」
と話すのは、「平惣」徳島店で働く川上郁子さん。
徳島にゆかりはなくとも、社内で「これは面白い」「徳島の皆さんに知ってほしい」と思う作品があればクローズアップ。本の世界観を広げるような催事も積極的に行っている。
「そのひとつとして、社を挙げて取り組んでいるのが、『奇跡の村 木頭と柚子と命の物語』で舞台となった『黄金の村』とのコラボです。ゆず作りにかけた先人たちの想い、木頭ゆずそのものの魅力を、本と食品の双方から発信できればと思います。
他にも、『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』という本が面白いとなり、あわせて世界の料理のレトルトパックも販売することに。すぐには海外に行けないけれど、本と料理で世界旅行をしよう!という催事コーナーはお客さまにも好評でしたね」
コロナ禍が与えた影響は大きかったが、おうち時間が長くなったからこそ、「久しぶりに本を読もう」と思う方が増えたとも感じたそう。
「新作も面白いものがたくさんありますが、個人的には昔読んだ本を読み返すのもおすすめです。私が最近読み返したのは、太宰治の『ヴィヨンの妻』。学生時代に感じたものとはまったく違う読後感でした。
人生を経験すると視点が変わる、だからこそ本は面白い。おうちで味わえる楽しみを書店で見つけてもらえればと思います」