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「1日2リットルの水」の、頻尿・尿漏れに対する影響は?高齢者の場合を考える

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内田輝和

記録するだけで頻尿や尿もれが改善する「排尿日誌」

自分が水分をとりすぎているかどうかを、客観的にわかる方法があります。それは「排尿日誌」をつけることです。

やり方は簡単で、目盛りのついた検尿専用の容器をトイレに置いておき、排尿のたびに何㎖尿が出たかを記録するのです。

排尿日誌をつけると、水分のとりすぎがすぐわかります。適切な水分摂取をしている人の1日の尿量は1000〜1500㎖ですから、2000㎖以上も尿が出ている人は、明らかに水分のとりすぎです。

排尿日誌は、泌尿器科で行われている治療法のひとつで、多飲による頻尿はもちろんのこと、過活動膀胱による頻尿や尿漏れ(切迫性尿失禁)にも効果があると言われています。

なぜ日誌をつけるだけで、症状が改善するのでしょうか。

過活動膀胱の人は、膀胱に尿がそれほどたまっていなくても、尿意を感じてトイレに駆け込みます。こういう人が、排尿日誌をつけると、1回の尿量がわかります。すると例えば、たった100㎖しかたまっていなかったのに、トイレに行っていたことがわかります。また、何時おきに排尿しているかもわかります。

こうした記録をつけていると、「まだトイレに行くのは早い」とか「もう少し尿をためてられるはず」というのが無意識のうちにわかってくるのでしょう。その結果、トイレに行く回数が減っていくというのです。

水分のとりすぎかどうかを調べるには、排尿日誌を2〜3日つければ十分わかるといいます。記録するのは、朝起きてから翌朝目覚めるまでで、夜間にトイレに行った場合はその量も記録します。

少々めんどうなのは、トイレに置いておく目盛りの入った容器が必要なこと。朝起きたときなど、排尿量が多いときは400㎖くらい出ることもあるので、そのくらいの容量がないといけません。大きめの計量カップでよいのですが、調理用具を使うのは抵抗がある人もいるでしょう。

そんな人は、空のペットボトルの頭の部分を切り落として、油性のペンでおおまかな目盛りをつけ、排尿日誌専用の容器を自作する方法もあります。

排尿日誌をつけると、頻尿や尿もれの改善だけでなく、もうひとついいことがあります。それは自分の尿を観察できること。尿の色や沈殿物の有無などがよくわかるのです。そのため、尿路の異常の早期発見にもつながります。

※この記事は『尿もれ・頻尿は自分で治せる!』内田耀和著(主婦の友社刊)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※2023年3月5日に配信した記事を再編集しています。

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