[後編]青木さやかさん50歳。「亡くなる前の3カ月で嫌いだった母とようやく仲直りできた」
娘には「親を嫌っちゃダメ」と伝えています
現在は中学2年生の娘とふたり暮らし。早起きして朝食とお弁当を作り、駅まで車で送っていく。
「今朝も『大変なのにお弁当作ってくれたの? ありがとうね』とか言ってくれたりして、優しい人だなと思います。でも、もし娘が同級生だったら、たぶん仲よくなっていないと思う。むしろちょっと苦手なタイプかもしれません。素直で優しい子って、昔の私だったらちょっと信用できなかったと思うから」
母が嫌いだった自分が、母として娘を育てている。子育てに正解はないけれど、せめて娘には嫌われない親でありたいと願う。
「嫌われたくないというのもありますが、親を嫌いになると自分が苦しいということを知っているから、娘には『親だけは嫌っちゃダメだよ』『親を大事にすれば絶対に幸せが巡ってくるからね』と言っています。どの口が言ってんだと思いながらも、やっぱり親を嫌うのは子どものほうがつらいから。もしかしたら私から娘への刷り込みかもしれませんけれど(笑)、とにかく私はそう思っているから伝えています」
13歳、思春期と反抗期のまっただ中でもある。
「親の手を離れて外へ外へと向かっている時期。ちょっと寂しくも感じます。これから先、いろんな局面で嫌なことやつらいことがあると思いますが、悩んだりくじけそうになったりしたとき、頼ってもらえる存在でありたい。正直な思いを吐き出せる相手のひとり、一番近い人になれたらいいなと思っています」
『ゆうゆう』2024年12月号
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