【サフラン】の栽培方法と活用アイデア3選|桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活
「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。第11回は【サフラン】です。
本連載の他、桐原春子さんの記事は桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活をご覧ください。
目次
古くから珍重されてきた【サフラン】
貴重なスパイスの原料となるサフラン。名前は知っていても、特徴や利用法を知らない人も多いのでは?
古くから珍重されてきた植物の魅力を、桐原春子さんに伺いました。
科名/アヤメ科
性質/多年草
草丈/約30㎝
料理を黄金色に染め上げるスパイス
サフランは、桐原春子さんがずっと紹介したいと思っていたハーブ。
「南欧などでは、料理を黄金色に染める高級スパイスとして古くから利用されてきた貴重なハーブです。日本ではパエリアでおなじみですね。以前、パエリアの本場・スペインを訪れたとき、一面にサフランが植えられている風景を見て驚きました。イタリアで食べたサフラン風味のブイヤベースも印象に残っています」
サフランの原産地は南欧や小アジアで、紀元前の時代から、医薬品や染料、料理の香りづけに利用されてきました。旧約聖書にも登場し、貴い香物として記述されているそう。
サフランを利用する際は、1本の先が3つに分かれる雌しべを摘み取り、ざるなどにのせて室内で4~5日おき、乾燥させたものを使います。
「450グラムの雌しべを収穫するためには7万~8万本もの花が必要とされ、手作業による収穫の手間は大変なもの。サフランが貴重なスパイスであるのもうなずけます」
さまざまな料理に、高貴な色と香りをプラス
「甘さとスパイシーさが絡み合う、濃厚で独特な香りです。ただ、使いすぎると苦みが出るので、ごく少量から試してみて。魚や肉料理、ソース類の色づけ、風味づけに利用する他、ティーやケーキ、砂糖菓子にも合います。イギリスではサフランケーキというお菓子もあります」
栽培は容易で、市販の球根を鉢や土に植えれば花が咲きます。室内外で栽培できて、水栽培も可能。
「球根はなるべく大きく充実したものを求めます。翌年も咲かせたい場合、花後に球根を太らせるためにカリ分の多い肥料をやり、葉が枯れたら掘り上げて新しい土で植え替えます」
赤い雌しべが特徴。偽物にご用心!
秋に薄紫色の花を咲かせるサフランの鉢植え。花後に細い線状の葉が茂り、その美しい姿も魅力的です。
クロッカス(花サフラン)、コルチカム(イヌサフラン)は花も名前も似ているものの、赤い雌しべがありません。特にコルチカムは有毒植物なので要注意。