アン ミカさんの生きる支えとなった言葉とは?「嫌なことがあっても、知恵と工夫を凝らせばちゃんと幸せが待ってるんです」
明るい笑顔と、ポジティブな言葉から、私たちに生きる力を与えてくれるモデル・タレントのアン ミカさん。そんなアン ミカさんの生きる支えとなった言葉とは?
今起こっていることは、あなたの器を大きくしてくれる
テレビやラジオ、CMなどを通じて、いつも私たちにポジティブに生きるヒントや力を届けてくれるアン ミカさん。その明るい笑顔からは想像しがたいが、アン ミカさんには幼い頃に体験した大変な苦労があった。
「幼い頃、わが家は両親と5人の子どもたちの7人家族で4畳半に暮らすような貧しい生活を送っていました。といっても、貧しいながらも楽しいわが家で、子どもたちは仲よくくっついてはしゃいでいましたし、両親は教会に通いながら清貧を貫くような、精神的にはとても豊かな家庭でした。それが、住み込みのラーメン店の仕事に父が就き、少し経済的にも上向いてきたときに任されていた2軒のラーメン店が相次いで火事に遭ってしまったんです」
一つはコンセントについたホコリが原因の自然発火。もう一つは放火による延焼だった。その頃、以前から不調を訴えていた母のがんが判明。治療費を稼ぐため父は出稼ぎに出たが、そのかいなく母は亡くなった。
「そのときお世話になっていた神父さまに私が楯突いたんです。神様なんかいるものかと。もしいるとしたら、こんなに真面目に一生懸命生きている人たちにこんな不幸は与えないだろうと。そんな生意気なことを言うと、神父さまがこう言われたんです。『神様は必ず人間が幸せになるようにつくっているし、乗り越えられない苦労はお与えにならない。今起こっている出来事は、あなたが知恵と工夫を凝らして乗り越えたときにあなたの器を大きくしてくれます。だから起こる出来事を信頼しなさい。そして被害者意識をもってはいけない。なぜ私ばかりと思うと心に加害者をつくり、人のせいにする心グセがつく。それは、あなたの成長の芽を摘んでしまうから』と」
「自分に起こる出来事を信頼しなさい」
貧困に火事、父の出稼ぎに母の病死と、苦しみばかりが続いたときに「神様がいるなら、どうしてこんなに一生懸命生きている人を苦しめるんですか」と教会の神父さんに問いをぶつけた。そのときの神父さんの答え。
アン ミカさんたち5人は全員が新聞配達を始め、協力して生活することに。神父さんの言葉が心に残ったアン ミカさんは、この状況に向き合い知恵と工夫を凝らすよう努めた。
「兄姉が私の学費を払ってくれたように、今度は私が妹弟のプラスになるように生きていく中で見えてきたものがあったんです。姉一人でやっていたお弁当と朝食作りを手伝い、新聞配達後、余った時間を陸上部の自主練や勉強に充てたら、大阪府の大会に代表で出ることになったり、塾に通わずして進学校の高校に進めたり。人は常に自分の選択の責任をもって生きているんだなと。ジェットコースターのような人生ですけど、その後も大変なことが起こるたびに、今度はどんな幸せになるための階段を上るの?と向き合うことにしています(笑)。知恵と工夫を絞った後って、本当にご褒美が待っているんです」