【ひとり暮らしのお宅拝見】72歳、団地住まいのソネジュンコさん「お金はなくても工夫次第で心地よい部屋は作れます」
大切にしている暮らしの軸は「我慢しない」「心地よさを優先する」
「こぢんまりした部屋がいくつもあるよりは、広いスペースがひとつあるほうが好き。2つある広い部屋をぶち抜いてひと部屋として使っています。せっかく広くしたんだから、全部今の自分に合わせようとカスタマイズしました。今後は楽しく生ききることが自分の使命。『ストレスになる我慢はしない』『心地よさを優先する』と決め、それを実現できる部屋や暮らし方にしたんです」
といっても経済的な余裕はない。そこで道具や資材を集めてDIYに乗り出した。しかし、ソネさんは手間のかかることも嫌いな性格。
「だから調べるんですよ。できるだけ安く、手間を省いて自分の『こうしたい!』を実現するにはどうしたらいいか。今はネットで情報がいっぱい出てくる。これというものを見つけたら、あとは自分で動く。重い木材などを運ぶときだけは、子どもたちを巻き込みますけど(笑)」
自由に釘を打ったり、額を飾ったりするための壁面を支柱と板で作り、母の形見の和だんすで玄関に靴収納を作った。スペースの狭い洗面所は、突っ張りアジャスターと棚板で「ツールタワー」に。一番のお気に入りは、長い時間を過ごすアイランドキッチン風のカウンターだ。
「昔、お金があったときにオーダーした流し台を再利用して作りました。廃材で天板を作って渡し、ペンキを塗った後にクッション性のあるニスを塗る。するとすごく肌触りのいい仕上がりになることがわかりました。もちろん全部独学ですよ(笑)。私は長生きしたいとは思わないんですけど、死ぬ1週間前までは仕事をしていたいんです。それには食事をおろそかにしてはダメ。広々と使いやすいキッチンで食を大事にすることには、こだわりました」