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【ひとり暮らしのお宅拝見】小さな生活道具店ecru店主・桐野恵美さん「望んでいた自由を得た分、ひとりで生きていく覚悟は必要だと思っています」

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ゆうゆう編集部

「50代から始めたひとり暮らし。住まいも人間関係も心地よくいられることが最優先」と話すのは、自宅で「小さな生活道具店ecru」を営む桐野恵美さん。心地いいひとり暮らしの工夫やアイデアについて、お話を伺いました。

お話を伺ったのは
「小さな生活道具店ecru」店主
桐野恵美さん

きりの・えみ●2018年に神奈川県・葉山町の山側から海側に転居。翌年、暮らしに寄り添う器やファブリック製品を扱う「小さな生活道具店 ecru」をオープン。
料理教室「暮らしとごはん」「菜食ごはん料理教室」や、ヨガ講師とコラボした「新月ヨガと食の会」なども開催している。

一歩踏み出した先に見つけた海辺の町での新しい暮らし

穏やかな波が打ち寄せる、神奈川県・葉山町の一色海岸。夏になると、水着の上にTシャツ、ショートパンツといういで立ちでこの海を訪れるのが、桐野恵美さんの日課だという。

「毎朝5時半くらいに海に来て、20~30分間ぷかぷか浮いて。ボーッとしているだけですが、気持ちいいですよ。このくらいの時間が、太陽の光の加減もちょうどいい。でも泳ぎもせずに浮いているだけなんて、ちょっと怪しい人ですよね(笑)」

モーニングシャワー代わりの海水浴は、現在の住まいに引っ越してきてからの習慣だ。5年前、桐野さんは夫と離婚、葉山町の中でも海にほど近いこの地で、新たな暮らしをスタートさせた。

「自分の人生を一歩踏み出して、とにかく動いてみたかったんです。気力と体力のあるうちに行動を起こし、自分の人生の舵を自分で取れるようになりたかった。その最後のチャンスが、50代なんじゃないかという思いがずっとあって。彼には以前から自分の意思を伝えていましたが、50歳になったときお互い納得のうえ離婚が成立。いつか住みたいと思っていたこの土地で、ひとりで暮らす家を探し始めました」

3軒目の内見で訪れたのが、昭和に建てられた木造平屋建ての現在の家。窓ガラスや欄間などが当時のまま残り、代々の住人が大切に住み継いできたことがうかがえたという。

「昔から古い食器や生活道具が好きで、『いつかお店がやれたらいいな』と思っていたんですが、この家の玄関に立ったとき、見えたんです。自分がここでお店を開いている未来が。予算的にはオーバーでしたが、迷いはありませんでしたね」

こうして「小さな生活道具店ecru」が誕生。普段はリビングダイニングとして使うスペースに、金・土の2日間のみ、これまでコツコツと集めてきた生活道具や作家物の器などを展示。ゲストを迎えるスタイルを続けて、今年で5年目となる。

玄関には、控えめな看板が。近所の人が散歩がてらに訪れることもあれば、遠方からわざわざ足を運ぶ人も。

好きなものをスクラップした「ハリハリノート」。レイアウトも美しく、桐野さんの美意識が凝縮されているよう。

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