料理研究家・枝元なほみさん「人と比べないと心に決めたら、人の目が気にならなくなりました」【前編】
思いついたら走りだす
仕事に対する気持ちも変わった。
「100本ノックみたいに仕事をしていた時期もありました。早い・安い・見栄えがいい料理、ずいぶんやったけど、もうそれはそろそろいいかな、やたらに働くという感じじゃなく違うことをやりたいなって。病気だし、コロナでひとりで考える時間も過ごして、これからは自分のペースで好きにさせてもらおうと思っています」
料理研究家たるものという気負いや人と張り合うようなところを、枝元さんは、一切もち合わせていない。だから、自分のペースでと、するりと言えるのかも。
「私、人と自分を比べないんです。世間的なことが気にならない」
もちろん、はじめからそうできたわけではない。
「訓練してきたんです。人と比べても何にもならないでしょう。そっちに自分の気持ちが向きそうになると、別のことを考えたり、自分がやりたいことに集中したり……そのかいあって、今はほんとに気にならなくなりました。人の目も、世間のことも」
やりたいと思ったら、計画を立てる前に走りだすのも、枝元流だ。
「計画をと考えているうちに、やりたいことが逃げていっちゃう気がして。思いついたら動きだして、走りながら考える。私、ムーミンのスナフキンが好きなんです」
自由を愛する旅人スナフキンは言うーー。人の目なんか気にしないで、思うとおりに暮らしていればいいのさ。
(後編に続く)
※この記事は「ゆうゆう」2022年1月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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