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「何だ、このヤバいやつは!?」【光る君へ】で話題の俳優【玉置玲央さん】。人気舞台にかける思いとは?

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ゆうゆう編集部

舞台を中心に活躍し、近年はドラマや映画でも注目を集めている玉置玲央さん。新たに挑むのは、1981年の初演以来、再演を重ねてきた名作『朝日のような夕日をつれて』。今をときめく俳優は、この舞台とどう対峙するのか。意気込みや見どころを語っていただきました。

PROFILE
玉置玲央さん・俳優

たまおき・れお●1985年、東京都生まれ。
劇団・柿喰う客の中心メンバーとして活躍する他、劇団以外でも数多くの舞台に出演。映像作品にも活躍の場を広げている。
主な出演作に映画『教誨師(きょうかいし)』、ドラマ「大奥 Season2」、NHK大河ドラマ「光る君へ」など。

誰かの人生に影響を与えることができる。それが俳優業の魅力

平安時代を舞台に、『源氏物語』を生んだ紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」。その第1回の放送で話題をさらったシーンがある。幼い日のまひろ(のちの紫式部)は右大臣家の三郎(のちの藤原道長)と親しくなるが、ある日、三郎に会うために急ぎ、三郎の兄・道兼を落馬させてしまう。激昂した道兼はまひろの母・ちやはを殺害––––。

返り血を浴びた道兼の形相たるや。この道兼役で強烈なインパクトを残したのが玉置玲央さんだ。

「第1回が衝撃的な終わり方だったので『何だ、このヤバいやつは!?』と印象的だったみたい(笑)。大きな反響がありました。僕自身、お話をいただいたときは『藤原道兼って誰だよ?』と思ったんです。歴史の教科書でも一瞬しか出てこないし。それがまさか、こんなに話題になるなんて。大河ドラマって本当に多くの方が見てくださっているんだと、とても驚きました」

玉置さんの出演は第18回までだったが、大河ドラマのもつ圧倒的な影響力を実感したという。

「あの殺害シーンがトラウマになっている人がいるかもしれないけれど、一方で好意的に見てくださっている方もいて。より多くの方にリーチできて、誰かの人生に影響を与えることができる。この作品で俳優業の魅力を改めて感じました」

「たまたま」選択した演劇科が俳優のスタート

最初から俳優を志したわけではなかった。転機は中学3年生のとき。

「僕、卒業間際の3月後半になってもまだ進路が決まっていなかったんです。働こうかと思っていたら、親から『高校くらいは出てほしい』と言われて。中学の先生に相談したら、今からでも入れる高校がある。韓国語科かロシア語科か演劇科ならどれがいいか?と言われたので、3年間、頑張って続けられるのはどのコースだろうと考えて、演劇科へ。これがスタートです」

しかし、演劇科で学ぶのは主にミュージカル。性に合わないと感じた玉置さんはこっそり校外で劇団を立ち上げ、活動を始めた。

「劇団のメンバーで集まって、公演に向けて稽古をしたり、準備をしたり。それが楽しいからお芝居をやっている、みたいな時期でした」

高校卒業後は裏方業に従事。

「裏方をやりながらお芝居して過ごしていたら、徐々に俳優業の需要が高まって。20代半ば頃から俳優業で飯が食えるようになりました」

舞台では、所属する劇団・柿喰う客の公演はもちろん、劇団以外の作品にも数多く出演してきた。

「キャリアを重ねていくうちに、だんだんと意識が変わってきました。『これは仲間内で集まって楽しい、だけじゃすまないことになってきているぞ』と。先輩方にも恵まれて、『俳優業をやるというのは覚悟が必要なこと、責任が伴うことなんだな』『自分の人生に直結するものなんだな』ということを先輩方の背中を見て学べたことで、この世界を進んでこれたような気がします」

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