【風吹ジュンさん】72歳「これからの10年は間違いなく面白い」と語る理由とは?
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ゆうゆう編集部
20代の俳優に聞かれる「その服どこのですか?」
仕事を選ぶ基準は、第一に脚本が面白いかどうか。そして監督の方、共演の役者さん、どこで配信されるかも考える。それと大事にしているのは「勘」だ。私生活でも暇を見つけては足繁く映画館に通って映画を観まくる。そんな映画ファンとしての直感も尊重する。
「先日、『オッペンハイマー』から『マッドマックス:フュリオサ』『関心領域』と一気に3本観たの。メチャクチャ面白かった!」
この旺盛な好奇心、フットワークの軽さ。これもきっと充実する日々の大きな原動力なのだろう。その柔軟な感性は、現場の若い俳優たちとの距離も一気に縮める。私服のセンスが抜群にいいことで知られる風吹さんだが、着ている服について「それ、どこのですか?」と20代の俳優さんに聞かれることも多いという。
「私が『何歳だからこの格好をしなきゃいけない』っていう固定観念にとらわれていなくて、好きな格好をしているからだと思うんだけど、そういうときは『ウッシッシ!』って思っちゃう(笑)」
敬愛する料理家・小堀紀代美さんの料理教室にも、若い世代を中心に俳優仲間をどんどん招いて、交流の場を設けてきた。今やメンバーは50人以上。
「夫のことをボヤいたり(笑)、健康や美容の相談をしたり。みんなが気楽に会話できて息抜きできる場になっていればいいですね」
これからも、面白いものにはどんどん飛びついていく
50代で中国茶や旅の面白さに目覚め、60代は山登りに邁進。常に「楽しみ上手」な風吹さんだが、驚くのは、どれもある水準まで極めて、しかも周りの人にもその楽しみを広げていることだ。
「それは年をとって気づくことがあるからだと思いますよ。そうするとどんどんワイドオープンになって、次もワイドオープン、次もワイドオープンって開けてくる。その開けてくることが年をとるっていうことなんですよね」
ただそれには、いつでもどこでも自力で動けて楽しめる、フィジカルな強さも必要だ。それを登山と毎週1回必ず行うエクササイズ・ジャイロトニックで鍛えてきた。今70代に入り、これからの10年をどう思い描いているのだろう。
「間違いなく面白くなるでしょうね。やはり、社会情勢も含めていろいろな情報が経験として深く入ってくるようになるには、年をとらないとダメなんです。この5〜6年でエンターテインメント業界も、コンプライアンスが徹底されて、力技でもっていくような形ではなく、穏やかになってきた。やっと人間は成長できてきたのかなという気がします。映画やドラマに限らず、そうしたいい仕事場からいろいろ生まれてきているから、飛びつくものがいっぱい。楽しもうと思っています」
【INFORMATION】『愛に乱暴』
桃子(江口のりこ)は、結婚8年になる夫・真守(小泉孝太郎)と、同じ敷地内の母屋に住む姑・照子(風吹ジュン)との3人暮らし。手作り石けん教室の講師をして丁寧に暮らす桃子を、しかし不穏な出来事が次々と襲う。しだいに居場所を失っていく桃子の行き着く先は……。
●出演/江口のりこ、小泉孝太郎、馬場ふみか、風吹ジュン 他
●原作/吉田修一『愛に乱暴』(新潮社刊)
●監督・脚本/森ガキ侑大
●脚本/山﨑佐保子、鈴木史子
8月30日より全国公開(配給/東京テアトル)
Ⓒ2013 吉田修一/新潮社
Ⓒ2024 「愛に乱暴」製作委員会
※この記事は「ゆうゆう」2024年9月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/玉置順子(t.cube) スタイリング/岡本純子
ヘア&メイク/草場妙子 取材・文/志賀佳織
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