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「当時は許されませんでした」81歳の現役女医が切り開いた、育児と仕事を両立する術とは?

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ゆうゆうtime編集部

80歳を超えてなお現役の医師を続ける天野惠子さん。女性外来で週2回、診療に当たる天野さんが話題です。今すぐマネしたくなる、今知っておきたい健康の話が満載の著書『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』から、一部抜粋して、4回に分けてご紹介します。第2回は、ストレスをしなやかにかわす方法について。

▼前回はこちら▼

81歳・現役女医。男女差別が当たり前だった戦後の生活…乗り越えた「鉄のメンタル」

ストレスには抵抗しないで〝鈍感力〞で上手にスルー

そもそも、私は子どものころから「わが道を行く」タイプだったかもしれません。小中学校時代のあだ名は、〝蛍光灯〞。

当時の蛍光灯は、スイッチを入れてもすぐには明かりがつきませんでした。つまり、ちょっとずれているというか、鈍いというか、今でいう「天然」でしょうか。

今でもそうですが、嫌なことをいわれても、「ん? 自分がいわれているのな?」という感じ。悪口などどこ吹く風、どこか抜けているところがあるんですね(笑)。

でも、だからこそ、必要以上にストレスをためることなく、メンタル的にいつもフラット。激昂したり落ち込んだりといった気分のアップダウンも少なく、精神的にいつもとても安定しています。

それは、生来の〝鈍感力〞によるものではないかと思います。

結婚したとき、義母から次のように告げられました。
「子どもが生まれたらお仕事はお休みしてくださいね」

夫は一人っ子の長男でしたし、当時の「イエ意識」はすさまじく、夫の実家からの
過干渉は相当なものでした。

「休むって、いつまでですか」
私が問い返すと、義母は次のようにいい放ちました。
「子どもが20歳になるまでね」

私はびっくりはしましたが、何のリアクションもしませんでした(笑)。そのときはかばってくれた夫とは、仮面夫婦の期間も含め30年以上連れ添いましたが、63歳のときに離婚しました。

婚姻中は家庭内ではいろいろあり、義母ともさまざまな確執がありました。しかし、離婚後、病を得て、年老いた義母は、私が働く病院に入院し、結局最期は私が看取りました。

親しい人からは「お人好しね」などといわれたりもしましたが、病気になった弱者を前にしたら、私は一人の医師としてフラットに接するだけ。それができたのも、私の鈍感力のせいかもしれません。

鈍感力とは、ストレスの原因を真正面から受け止めるのではなく、上手にかわしたり、適当に受け流したりするスキルのこと。他人と接していればさまざまな〝雑音〞も耳に入ってきますし、トラブルも避けられないでしょう。

そのことにいちいち立ち向かっていては、精神的にハードです。雑音や逆風は「どこ吹く風」とスルーするのがいちばん。悪口をいれたら、聞こえないふり。ぜひ、この〝鈍感力〞を養ってみてください。

人はそうそう変わるものではありませんし、変えることはできません。他人と過去は変えられず、変えられるのは、自分と未来だけ。

私は「いろいろな人がいる」と思うと同時に、「人を変えることはできない」と割り切っていますから、人間関係で必要以上にストレスがたまることはありません。

「先生は本当に怒りませんよね」「いつも感情が安定していまね」と、周りの人からもよくいわれます。年齢を重ねて丸くなったということもありますが、声を荒らげて怒ったところで状況が好転することはほとんどないでしょう。さっさと気持ちを切り替えることでストレスも軽減します。

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