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【池上彰の未来予測】地震から命を守るために、覚えておきたい情報とは?

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池上彰

自宅での備蓄も大事!

こうした非常時に必要な情報を知っておくことに加えて、やはり自宅には災害対策グッズを備えておくべきでしょう。

私は災害に備えて、「ローリングストック」方式での備蓄をしています。備蓄用に用意した水や食料を、消費期限が切れそうな順番に消費しつつ、随時新しいものを補充していくということです。特に日本で大地震が起こった日である、1月17日、3月11日、9月1日の3つの日には点検し、消費期限が切れそうなものはそのときに食べたり飲んだりして、新しいものを補充しています。

東京都はいざ大地震が起きたときのために、水と食料を3日分、可能であれば1週間分は用意しておくようにと呼びかけています。たとえば首都直下地震が起きた場合、東京都がいくら迅速に救援に乗り出しても、3日間は手が届かないところがたくさんあります。そのため3日間は自分で自分の身を守ってくださいということです。

家だけではなく、会社や学校で被災する可能性も高いことから、企業や学校には社員や学生のための水や食料の備蓄が義務づけられています。企業や学校にいる際に大地震に遭ったときは、その施設で安全にとどまることが基本となります。大地震が発生した後の72時間(3日間)は、救命救助活動を通じて1人でも多くの命を救うことが最優先となります。大渋滞により救急車等が到着できないといった状況を防ぐため、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制しなければならないということです。

移動中など屋外で被災した帰宅困難者については、「一時滞在施設」で待機してもらうこととなります。大型ビルは、付近で被災した人たちに配るための水や食料などを備蓄しています。たとえば六本木ヒルズは地下に巨大な倉庫があって、約10万食の食料や毛布、簡易トイレ、紙おむつなどが備蓄されています。災害時に周辺にいた人たちが逃げ込めば、これらが提供されます。

私が教えている東京工業大学も同様で、備蓄している大量の食品の消費期限が近づいてくると、新しい食品に入れ替えるために、消費期限の近づいたものを学生たちに無料で配布しています。

※この記事は『池上彰の未来予測 After 2040』池上彰 著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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池上彰の未来予測 After 2040

池上彰 著
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