【池上彰の未来予測】地震から命を守るために、覚えておきたい情報とは?
地震多発国・日本。地震が起きた場合に備えて覚えておきたいこととは? ジャーナリスト・池上彰さんの書籍『池上彰の未来予測 After 2040』より一部を抜粋し、お届けします。
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鉄道や道路は地震を想定した対策が進んでいる
そもそも地震が多い国である日本の鉄道は、迂回路も想定して整備されてきました。東海道新幹線の東京―大阪間の迂回路は、北陸新幹線になります。東京発の北陸新幹線は、2024年3月に金沢(石川県)から敦賀(福井県)まで延伸されました。その先をJR北陸本線で米原(滋賀県)まで、東海道・山陽本線で大阪までと乗り継いで行けばいいというわけです。
1923年9月に関東大震災が起きた際には、当時の国鉄の東海道線や中央線が不通になりました。東京から関西方面に避難をする人たちは、日暮里や田端(東京都)、あるいは大宮(埼玉県)から信越線で軽井沢を通って篠ノ井(長野県)まで行き、篠ノ井線に乗り換えて塩尻に行き、そこから中央線で名古屋や大阪に向かいました。
地震などの大災害が起きた際、道路に関しては、全国で「緊急輸送道路」や「緊急交通路」が設定されています。緊急輸送道路は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、被災者の避難や、救急活動人員や物資などの緊急輸送を円滑に行うための基幹道路です。
そして「緊急交通路」とは、災害発生時から応急対策が円滑に行われるようにするため、高速道路や国道などの幹線道路で一般車両の通行を禁止するものです。東京都の場合、なまずのイラストとともに「緊急交通路」と書いた大きな標識が、幹線道路のあちこちに設置されています。
あるテレビ番組で、若いタレントたちにこの標識が何かという問題を出したら、誰も正解できませんでした。なまずだということも、なまずと地震がなぜ結び付いているのかも全然理解されなかったものです。普段から、「この道路は災害時には車で通れないんだな」などとみんなで意識しておくことが大切です。
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