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「がむしゃらに働いてきたけどずっとは無理」50代喫茶店オーナーが「自分のために」はじめたこととは?

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ゆうゆうtime編集部

「がむしゃらに働いてきたけどずっとは無理」50代喫茶店オーナーが「自分のために」はじめたこととは?

コロナ禍で持ちものを見直し、器の量はこれまでの10分の1に。「本当に好きなものだけが手元に残ったので、家で過ごす時間が楽しくなりました」

先のことを考えて、漠然と不安になったり、迷ったりすることはありませんか。そんなとき効果的なのは、動いてみること! 小さなトライで自分が変わると、まわりも変わるかも。『自分サイズのすっきり大人暮らし』(主婦の友社)から、喫茶店オーナーの髙橋美賀さんの“トライ”をご紹介します。2回に分けてお届けする、前編は「おひとり様喫茶店」について。

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プロフィール
髙橋美賀さん

2018年6月より新宿御苑の森の近くで、月の満ち欠けに合わせてひっそりと喫茶店を営んでいる。喫茶メニューの開運フードは、カフェオレとプリン。店の窓から見える月を眺めながら、ゆっくりと夜のあまやかし時間を過ごせる。三日月のロゴをポイントにしたオリジナル商品の通販も。

自分のために、誰かのために〝ひとり〟に還れる時間をつくっていきたい

空気の流れをなぞるように、白い線を描いていくお香の煙。すっと立ち上ったり、くるくる浮遊したり。そんな煙をぼんやり眺めるところから、髙橋美賀さんの〝ひとり時間〟は始まります。

「ひとり暮らしなので、常にひとり時間といえばそうなのですが、無意識にスマホを見てしまったり、仕事のことが頭を離れなかったり。でも、お香をたいていると煙に意識がいくので、無に集中できるんです」

この〝ひとり時間をもつ〟ことこそ、髙橋さんが始めた、新しいトライ。
時間にすると15分ほど。でもそのわずかな時間さえ、何かを詰め込んでしまいがちな現代に生きる、私たち。仕事は大事、情報や人づき合いも大事。でも、まず大切にすべきなのは自分自身では? 

「歳を重ねて、そんなふうに思うようになりました。ずっと、まじめにがんばらねば、幸せは得られないと思っていたんですよね。仕事に関しては特に」

月の形をしたお香立てとお皿、お香(ピンクの筒)は髙橋さんの店のオリジナル。「お香は『東京香堂』の千夏子さんご夫妻が『MOON COFFEE SALON』をイメージして、つくってくれました」

5年勤めていたコーヒーショップをやめ、東京・四谷にコーヒーサロンをオープンしたのは、髙橋さんが46歳のとき。念願の自分のお店ということもあり、朝から晩まで、長いときは10時間ほどお店にこもり、がむしゃらにがんばる日々でした。それから数年。

「やっぱりというか、当然というか、疲れやすくなってしまって。昔のようには仕事ができなくなったんです」

自分が元気でいないと、お客様にもいいものは提供できない。そのための体力づくりはもちろん、休暇やちょっとした自由時間をつくって気持ちをゆるめることも必要。そう考えた髙橋さんは、仕事一色の日々の中に、お香や喫茶、旅など、自分への〝あまやかし〟の時間を設けるようになりました。

「人生、まじめさや努力も必要だけど、しんどさや辛さとは別もの。その線引きは自分で決めていいと思うようになったんですよね。たとえば、飲食店だって朝から晩まで開けていなくてもいいし、年中無休でなくてもいいんじゃないかと思って」

香りのアイテムは“あまやかし” に欠かせないもの。「キャンドルやアロマなどなんでも好きですが、お香は1本15分くらいの長さがちょうどよくて朝によくたいています」

スキンケア前にアロマオイルを嗅いで、深呼吸。

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