【ガーデニング】チューリップの球根の植え方 美しい花を長く咲かせるコツは?
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光武俊子
童謡にも歌われるチューリップは、サクラに並んで春を代表する花です。愛らしくシンプルなイメージをお持ちかもしれませんが、じつは幅広い花色と多彩な花形を誇ります。今回はそんなチューリップを深掘り! 誰もが好きにならずにいられない花の魅力を紹介します。
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チューリップを長く楽しむために
チューリップは秋の園芸店で店先を賑わす秋植え球根植物です。一般的な園芸品種の球根はピンポン玉を半分にしたサイズの半球形。原種系の球根はやや小さくて涙型をしています。
球根は秋に植えつけることで、本格的な寒さが訪れる前に地中で根を伸ばし、来春に咲く準備を整えます。そして、一定の寒さによって開花のスイッチが入るため、沖縄などの亜熱帯気候では咲きにくい花でした。今は暖かい沖縄でも咲く品種が登場しています。
ですから、チューリップの鉢植えを室内や温室に入れるのは厳禁です。開花した鉢植えを室内で楽しむのはまだよくても、暖かい場所では早く咲き終わってしまいます。
こうしたチューリップの特性を利用して、一足早く鉢植えを冷蔵して寒さにあわせ、年末あたりから咲かせる手法もあります。寒さのなかで咲き出したチューリップは半月ほども咲き続けます。
それに対して春に咲くチューリップは1週間ほどで散ってしまいます。もっと長く楽しみたい方におすすめなのが、開花期をずらした花選びです。チューリップにはいくつもの系統があり、系統によって3月下旬から5月上旬まで開花期が異なります。
早咲きの系統と遅れて咲き出す系統を一緒に植えつければ、次々と咲くチューリップが長く楽しめます。開花期別にチューリップの多彩な系統を紹介します。
開花期別に覚えたいチューリップの系統
3月下旬~4月上旬に開花する早生
一重早咲き
チューリップの系統を表す略号でSE(シングル・アーリー)とされる園芸品種で、シンプルな一重の早咲きです。ピンクの‘クリスマスドリーム’や黄色の‘サニープリンス’、オレンジ色がかる‘アプリコットビューティー’などがあります。
八重早咲き
DE(ダブル・アーリー)という品種群。幾重にもなる花弁がゴージャスで、一重より長く花が残ります。白に緑の斑が入る‘ホワイトヴァレー’や、八重咲きのなかでもっとも青色に近い‘ライラックブルー’などがあります。
4月中旬~下旬に開花する中生
トライアンフ
系統の略号でT(トライアンフ)と表示されますが、品種数が多すぎて特徴がつかみにくいといわれます。花弁の縁に別の色が入る覆輪の品種も多く、人気の‘ガボタ’や‘ストロングゴールド’などがあります。
ダーウィンハイブリッド
遅咲きの一重に原種のフォステリアナをかけあわせた系統DH(ダーウィンハイブリッド)は、草丈60~70㎝と大型で丈夫です。‘オックスフォード’や‘サーモンインプレッション’などがあります。
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