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年末までにやっておきたいバラ仕事 ―初心者のバラ育てQ&A

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吉原美奈子

年末までにやっておきたいバラ仕事 ―初心者のバラ育てQ&A

スイス、チューリッヒ湖畔の街で見つけたピンクや黄色のバラ。周辺はおしゃれなリゾート地で、古城とバラのエリアとしても知られます。

12月下旬になると関東の温暖地でも多くのバラは葉を落として生長を止めます。クリスマス、お正月と慌ただしい時期ですが、早め早めに冬の作業をやっておくと1月以降が楽になります。

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年末までにやっておきたいバラ仕事 ―初心者のバラ育てQ&A(画像2)

ピンクのバラが茂るヨーロッパの初夏の庭。木造りの素朴なコテージが大きく茂るシュラブローズとよく調和しています。

Q バラの仮剪定とは何ですか?

A 仮剪定とは本格的な剪定をする前に伸びすぎた枝を切り、株姿を整えておくことをいいます。
剪定は9月に行う夏剪定の前、2月に行う冬剪定の前に行います。冬の仮剪定は新年が来る前に庭をきれいに整える目的で12月中~下旬に行われることが多いようです。

ただし、仮剪定は必ずしもやらなければいけないということはなく、むしろ12月中は1枚でも緑の葉がついていたら残しておくという考えもあります。
緑の葉がついていることで木は充実するからです。

筆者は、道路から人目につきやすい庭や玄関先にバラを植えている場合は年末に仮剪定をしてすっきりさせるほうがよいと考えています。
剪定は浅めの剪定ですから、健康に育っている株であれば上部の緑の葉を少し切っても勢いが衰えることはないからです。

自分の庭とバラの状態をよく見て、仮剪定を行うかどうか決めましょう。
なお、寒冷地で株がすっかり葉を落としているような場合は、問題なく仮剪定を行えます。

年末までにやっておきたいバラ仕事 ―初心者のバラ育てQ&A(画像3)

花付きのよい真紅のバラが枝垂れるように咲いています。丸弁高芯の花弁の巻き具合が魅力的で香りが漂ってくるようです。

Q 仮剪定はどうやればいいのですか?

A 根元から出ている枯れ枝があれば、今後生き返ることはありませんから元から切りとります。

長く伸びすぎた枝があれば、先のほうの5㎜以下の太さ(割り箸程度以下)のあたりで枝を切ります。
秋以降に地面から伸び出たシュート(新枝)があれば、これもよく育つことはないので切っおきましょう。

これだけで株はだいぶすっきりと見えるはずです。下についている緑の葉は決して取らずにそのままにしておきます。

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日本の高原をオレンジや黄色のビタミンカラーのバラが彩ります。ガゼボの周りも半つる性のバラで華やかに。(筆者撮影)

剪定一季咲きオールドローズにも行います。たいていのオールドローズは春以降に旺盛に枝を伸ばし、夏に枝を切る整枝を行っても秋にまた生長を続けます。
見苦しくない程度に枝を軽く切って形を整えておきましょう。

オベリスクやフェンス、アーチなどの構造物に絡めているつるバラもそのままではかなり枝が暴れていることでしょう。
構造物から大きくはみ出している部分だけ枝をカットして整えます。

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全米で最も古い公立のバラのテストガーデンとされる、ポートランドローズガーデンに咲く淡いアプリコット色のバラ。

オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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ピートモスは、寒冷地の湿地に生える水ゴケが堆積し、腐食化した土のことです。酸性で無菌に近く、ブルーベリーなど酸性を好む植物の栽培に適しています。

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オベリスクとは、園芸用の支柱の一種で、円柱状や四角柱状の塔のような形をしたものです。おもにバラやクレマチスなどのつる植物を誘引し、美しく仕立てるために使用されます。オベリスクを利用することで、植物を立体的に見せることができ、庭やベランダのアクセントとしても活用されます。

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植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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シュートとは、植物の株元や枝から伸びる新しい枝のことを指します。​特にバラでは、勢いよく出た新しい枝は将来の主枝となる重要な枝であり、適切な管理が必要です。

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草木灰とは、植物を燃やして得られる灰で、おもにガーデニングで使用される天然の肥料です。カリウムやリン酸が豊富に含まれており、土壌のpHを上げてアルカリ性にする働きがあります。特に酸性土壌を改良したり、果樹や花の開花を促進したりする際に役立ちます。また、野菜の病害予防や害虫対策にも効果的です。ただし、多量に使うと土壌バランスを崩すこともあるため、適量を守ることが大切です。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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牛ふんとは、牛の排泄物を発酵・熟成させた有機肥料の一種で、土壌の保水性や通気性を改善する効果があります。栄養価はそれほど高くないものの、土壌中の微生物活動を活発にし、団粒構造の形成を促進します。完熟していない牛ふんは悪臭や虫の発生の原因になることもあるため、市販の完熟牛ふん堆肥を選ぶのが一般的です。野菜や草花の元肥として広く利用されています。

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温暖地とは、年間を通して気温が比較的高く、冬期の降雪が少ない地域を指します。日本では西日本や太平洋側の地域が該当し、植栽スケジュールや作つけ品種の選定において、冷涼地や中間地とは異なる育成条件や病害虫対策が必要となります。

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油かすとは、菜種や大豆などの油を搾った後に残るかすで、チッ素分を多く含む有機肥料です。元肥や追肥として利用され、植物の葉や茎の生長を促します。ゆっくりと効き目が現れるため、長く栄養を与えたいときに適しています。ただし、施しすぎると発酵時に悪臭が出ることがあるため、量や場所に配慮が必要です。また、スイセンはチッ素過多になると、球根が分球しやすく花が咲きにくくなるため、リン酸分の多い肥料を施します。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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骨粉とは、牛や豚などの動物の骨を高温処理して粉末状にしたリン酸質肥料で、おもに花や実のつきをよくする効果があります。即効性はありませんが、土壌にじっくりと効いてくる緩効性で、バラや球根植物、果樹などに多く用いられます。有機質肥料の一種として、堆肥などと併用することで、より健全な土づくりに貢献します。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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大苗とは、ある程度の生長を遂げた苗木のことを指し、特にバラや果樹の苗でよく使われる用語です。根がしっかりと張り、幹や枝が太くなっているため、植えつけ後の活着率が高く、すぐに花や果実を楽しむことができるメリットがあります。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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