いざ実践!「退職金1,000万円を運用するぞ!」でもマネリテの低い60歳女子はどうしたらよい?
本記事は、バブル期に入社した会社を60歳で定年退職したばかりの女性が、今までなおざりにしてきたお金の問題あれこれに直面し、右往左往しながら、ファイナンシャルプランナーの小沢美奈子先生にご教示いただきつつ、老後のお金問題を解決していく連載である。第3回は実践的な運用方法について。
▼前回はこちら▼
マネリテゼロの定年女子の【退職金の行く先】住宅ローンの完済にあてる?それとも運用?プロの回答はなんと…!
[前回のあらすじ]
退職金の運用先として銀行から「外貨建ての保険商品」を勧められるが、小沢先生からいろいろな話を伺い、思いとどまった私(詳細は、連載第1回に)。さらに気になっていた住宅ローンの一括完済をせず、その分のお金を運用することに(詳細は、連載第2回に)。今回、いよいよ実践的な運用方法を教わります。
運用の前に自分のライフスタイルに必要なお金を考えてみよう
——私は夫と2人暮らしで子どもはいません。夫はまだ現役なので収入はありますが、夫に頼るつもりはありません。今までもこれからも自分のお金で生きていきたいのです。これはバブル期に青春時代を過ごしたバリキャリ女子の矜持です! ふんっ(鼻息)
自分の稼いだお金は、自分の老後の資金にしたいので、今までの先生のお話を鑑みて、定年退職金は住宅ローン返済に回さず投資して運用することにします。ローリスク・ハイリターンの運用方法は無いとのことですが、ローリスク・ローリターンであれば、安全な運用方法ありますか?
小沢「なるほど。私はその下の世代なのですが、バブル女子は勇ましいですね。では、そもそも老後資金はどのくらいあると潤沢だと思いますか?」
——それは人それぞれですよね。一時期老後資金2,000万円なんて話もありましたが。
小沢「そうなんです。会社員として定年まで働いた女性は多くいらっしゃいますが、夫など他の収入源があるかないか、子どもの有無、お一人様など、ライフスタイルはまちまちです。
ちなみに総務省が出したデータ※では、夫婦高齢者無職世帯の1カ月の支出は約27万円で、ゆとりある生活を送るなら、約38万円が必要だとされています。これは1世帯の額なので、1人分ではありません。1人暮らしのケースなら金額は異なりますが。まずは、ご自身の将来のお金の流れを具体的に試算してみませんか?」
※ 総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年」(65歳以上夫婦のみの無職世帯)より
老後のキャッシュフロー表に記入してみる!
——将来っていつまでですか? いつまで生きられるかわかりませんし、これからのどんな支出があるのか皆目わかりません。
小沢「人生100年時代。できれば30年くらい先まで見通せるとよいですが、ひとまずこの先10年、70歳までを考えてみると現実的ですね。実は老後のキャッシュフロー表があるので、それに記入してみると簡単です。下記の日本FP協会のサイトから誰でもダウンロードできますよ。
日本FP協会(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)
ウェブサイトは下記です。
日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/
ワークシート「老後の収入と支出から 将来必要な備えの目安を確認しよう」は下記にあります。
https://www.jafp.or.jp/personal_finance/fresh/workbook/files/6_retirement.pdf
このシートに記入すると、これからの収入額と支出額がおおよそはかれます。
ちなみに収入とは、何か仕事をして得る収入や、年金などです。
支出とは、生活費、住居費、保険料、税金に、趣味や交際費に使う娯楽費などです。
今手元にあるお金(貯金など)に、これからの収入をプラスしましょう。そこから支出をマイナスして、残ったお金が余裕分。これを投資に回して運用するとよいですよ。」
——なるほどです。やってみました。私の場合、思い切って退職金1,000万円をまるっと投資に回しても大丈夫そうですが、財テクなんて初めてです。具体的にはどんな商品がおすすめですか? そういえば銀行のシニアマネー相談会で、イケメン担当者から外貨建ての保険商品を勧められました。円安の現在、とっても利回りがよいらしいのですが。