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マネリテゼロの定年女子の【退職金の行く先】住宅ローンの完済にあてる?それとも運用?プロの回答はなんと…!

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吉見フグコ

本記事は、バブル期に入社した会社を60歳で定年退職したばかりの女性が、今までなおざりにしてきたお金の問題あれこれに直面し、右往左往しながらファイナンシャルプランナーの小沢美奈子先生の力を借りて老後のお金問題を解決していく連載である。第2回は、退職金で住宅ローンを返済?問題。

▼前回はこちら▼

退職金から100万円が一気に消えた!税金保険料恐るべし。マネリテゼロの定年女子が震撼した事実

[前回のあらすじ]
ある会社の正社員として無事定年まで勤めあげ、退職金を手にした私。その運用方法がわからず、誘われるまま銀行のシニアマネー相談会に出席することに。その銀行は、私名義のマンションの住宅ローン返済先でもある。担当者は、住宅ローンはそのまま残し、運用することを勧めてきた。運用先は「外貨建ての保険商品」がよいとのこと。が、小沢美奈子先生から、シンプルな運用を、と諭された私である。

正解は完済より運用! 住宅ローンは資産だという説も

——小沢先生、住宅ローンは借金ですから、早く返済しないと金利を払い続けないとなりません。借金を抱えていると気持ちもスッキリしません。私は変動金利型なので、毎年のように金利も上がります。

あ、ちなみにマンションを購入したのは独身時代で、これからずっと1人で生きていくのね、と覚悟した40代です。バブル世代のバリキャリ女子にありがちな行動でした。その後いろいろありまして結婚し、そのマンションに夫が加わって住んでいるので、名義は私なのです。
で、いろいろあったというのは——

小沢「その話は結構です(笑)。今、住宅ローンは金利が低い時期です。変動金利はこれからも上昇する可能性が高いと思いますが、それでも一括で返済するより運用に回す方が得策ですね。ざっくりとですが、ローンを抱えていても生活できる金額が手元にあるなら、運用に回したほうがいいと思います。団体信用生命保険(通称団信)に入っているなら、もしあなたが死亡してもローンは完済されるので相続人に負担はかかりませんし。

それに手元のお金が少なくなったり、急な大きな出費があったりしても、マンションは売却しないとお金は手に入りませんから、すぐ使える形の現金は手元に確保しておきたいもの。住宅ローンは資産だ、という人もいるくらいですよ。

住宅ローンは資産だ!という人も。

でも実際どのくらい金利より儲かるの?

——そうなんですね。利息より運用の方がお得のようですが、私のようなシロウトだと上手に運用できないのでは。実際にどのくらいお得になるのですか?

小沢「ちなみに今、どのくらいローンが残っていて、金利はどのくらいですか?」

——約1,000万円です。完済は70歳なのであと10年。金利は変動型で、現在は0.77%でしたが、この度、0.925%に変更になります。利息分の支払い月額はこの先半年で約7,000円強、1年だと約87,000円程度です。

ちなみに「元利均等返済」というタイプなので、毎月の返済額は一定で、「元金」と「利息分」合わさって減っていきます。この形だとこれから先は、どんどん借入金の元金が減っていくしくみですが、変動金利ですし、完済までの利息総額の見込みはわかりません。でも、ざっくりとですが、1年で10万円くらい増やさないと損するような気がします。 

小沢「金利が0.925%なら、それ以上増やすのは、そんなに難しいことではありません。例えば、退職金の1,000万円が今すぐ必要でなければ、それをそのまま運用すると考えて、返済までの10年をめどに投資で運用し、年3%で増やせるとしたら、1年で30万円増やすことも夢ではありません。さらに運用益をそのまま次回の元本に組み入れて再投資することで、複利の力がはたらき、お金が雪だるま式に増えていくことも期待できます。」

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