「起きてる時間はほぼ家族のため」だった専業主婦が、メイクセラピストに。就活のきっかけとなった息子の一言とは?【50代の仕事始め#1前編】
これからの仕事について、どうしようかと考えたことがありませんか? 50代で新しい仕事に踏み出す一歩は、勇気がいることかもしれません。今回お話をうかがった平野元子さんは、ごくふつうの専業主婦から、勉強をして資格を取得し、さらに新しい挑戦を始めています。やりたい仕事の見つけ方などヒントがいっぱい! 2回に分けてご紹介しましょう。
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「ごくふつうの専業主婦だった」と話す平野元子さん。
子どもたちが高校を卒業するまでは、家事と育児に専念する毎日でした。
仕事を始めるきっかけになったのは、ある日、息子さんに言われた一言だったそうです。
専業主婦から図書館司書へ、そして現在はメイクセラピストとして働く平野元子さんのお話です。
平野元子さん(57歳)
(一般社団法人)メイクセラピストジャパン 認定メイクセラピスト・パーソナルカラーリスト。
大学卒業後、総合商社で3年勤務。夫の海外転勤に帯同し、イギリスで6年過ごす。帰国後、自宅近くの会社や塾でパートを経験後、2018年、図書館司書の資格を取得。退職後、メイクセラピスト養成講座に通い、メイクセラピーの資格を取得し、2023年秋に自宅サロンをオープン。家族は夫と、独立した息子が2人。趣味はゴスペルとダンス、体力維持にゴルフ。
Instagram @m_s_place_motoko
名刺がわりの仕事用インスタも頑張って
「いまどき、SNSは名刺がわりだよ」と息子さんに言われて始めた平野さんのインスタグラム。
自宅サロンでのメイクセラピー&カラー診断のお仕事の様子や趣味の写真には、好きなことを仕事にして、充実した日々を送っている様子が伺えます。
イベントでのブースの出店や、高齢者施設でお年寄りにメイクをして元気を出してもらう企画などにも呼ばれ、大忙しの毎日では、と伺うと、
「大きなイベントのあとには1日ゆったりした日をキープするようにしています。趣味の時間も確保したいし、自分のペースで働けるのは個人事業主の良いところですね」
2024年1月に開業届を出し、現在は「認定メイクセラピスト・パーソナルカラーリスト」として活躍中です。
ここに至るまでの心の動きや挑戦の過程は、どんなものだったのでしょうか。
専業主婦&パート勤務から司書資格取得へ
結婚から下のお子さんが高校に入るまで、専業主婦だった平野さん。
家事と育児に専念し、起きている時間のほとんどを家族のために使うのが常でしたが、80歳まで仕事をしていたお母様の影響もあり、海外駐在から戻ってから短時間のパートを始めました。
「でもあるとき息子に、『僕たちが自立したらどうするの? 何か好きなことを仕事にしたらいいんじゃない?』と言われて、それがずっと気になっていたんです」
そして平野さんが最初に目指したのは、図書館の仕事でした。読書が好きだったというのもあり、ご主人も勧めてくれたそうです。
司書資格のないパートとして勤務していた平野さんでしたが、読み聞かせやお薦め書籍の選定など色々な企画を任されるうちに、徐々に専門資格をとりたいと思うようになったそう。
「司書の資格は大学の講座を受講しないといけないので、2年間、通信講座とスクーリングを頑張りました。レポートを書くのなんて大学生のとき以来で、最初は本当に時間がかかって大変でしたが、主人に添削をしてもらったりするうちにだんだんじょうずに書けるようになって、人間って、50代目前でも成長できるんだな、と思いました」
51歳の誕生日に司書資格合格。
パート時代から引き続き同じ職場で勤務していましたが、司書資格合格で金一封をいただいたそう。さらに、資格手当として時給は20円のアップ。
「20円(笑)。時給アップのための資格取得ではなかったので、やはり気持ちの問題で。自信を持って仕事に取り組めるようになりました」