「50代が自分にあった仕事を見つけるヒントとは?」専業主婦から司書を経てメイクセラピストに【50代の仕事始め#1後編】
これからの仕事について、どうしようかと考えたことがありませんか? 50代で新しい仕事に踏み出す一歩は、勇気がいることかもしれません。今回お話をうかがった平野元子さんは、ごくふつうの専業主婦から、勉強をして資格を取得し、さらに新しい挑戦を始めています。やりたい仕事の見つけ方などヒントがいっぱい! 2回に分けてご紹介する後半は、メイクセラピストへの挑戦です。
▼前回はこちら▼
【50代の仕事始め#1前編】「起きてる時間はほぼ家族のため」だった専業主婦が、メイクセラピストに。就活のきっかけとなった息子の一言とは?
コロナ禍の自粛要請で、図書館司書の仕事内容も変わらざるを得ませんでした。
自宅にいるあいだに、平野さんは自身の働き方を見つめなおします。
50代半ばがせまってきたときに決断したのが、「メイクセラピスト」への挑戦でした——。
平野元子さん(57歳)
(一般社団法人)メイクセラピストジャパン 認定メイクセラピスト・パーソナルカラーリスト。
大学卒業後、総合商社で3年勤務。夫の海外転勤に帯同し、イギリスで6年過ごす。帰国後、自宅近くの会社や塾でパートを経験後、2018年、図書館司書の資格を取得。退職後、メイクセラピスト養成講座に通い、メイクセラピーの資格を取得し、2023年秋に自宅サロンをオープン。家族は夫と、独立した息子2人。趣味はゴスペルとダンス、体力維持にゴルフ。
Instagram @m_s_place_motoko
決断は早めに、努力の方向は「好き」に向かって
職場環境も良好で、資格もとった図書館司書の仕事。
でもコロナ禍の自粛要請で仕事内容も変わり、何かさらにコミュニケーションを深められて、人に喜んでもらえる仕事はないかと模索していた平野さんですが、ある日「メイクセラピスト養成講座」の広告を見て、これだ!と思ったそうです。
「自然化粧品のアドバイザーをしていた義姉を手伝いながら、自分も資格をとっていたこともあって、メイクの世界というのにはとても興味がありましたし、好きでした。
また、メイクアップアーティストではなく、メイク“セラピスト”ということで、学生時代の心理学の勉強もいかせそうだなと思ったんです。
すでに50代半ばが見えてきていたこともあって、決断は早めに。2022年の秋から講習を受けて、翌年6月に基礎講座を終了しました」
そしてすぐに自宅サロンをオープンし、外部でのメイクセラピストの活動の幅を広げつつ、平野さんはさらにその資格を極めようと、上級の講座に挑戦。その後、最難関と言われる「特級」ランクの資格を取得して、2024年4月に認定メイクセラピストとなりました。
周囲の応援もあり順調なオープニングも、やはり課題は集客
平野さんがサロンをオープンして実感しているのが、人とのつながりだそう。
「私がこの仕事を始めるにあたり、たくさんの友人が協力してくれたり、応援してくれたり……。
言葉だけでなく、実際にみんなサロンに来てくれました。2度目、3度目と。そしてまた、それぞれの友人を紹介してくれたり、お嬢さんを連れてきてくれたり」
いちばん最初のお客様は「私が最初のお客さんになるから、早くサロンを開いて!」と言ってくれたお友達。早く開業しなきゃ!と勢いづけてくれたきっかけの一つだそうです。
そんな、温かい周りの友人たちにも感謝しながら、2年目の今年、新たな目標はずばり“集客”です。
「今の仕事は、お客様にも喜んでもらえるだけでもとても嬉しいです。でも、講座を受けたときに先生がおっしゃっていた『お金をいただくことにためらいを覚えてはダメ』という言葉をときどき思い出すんです。この資格をとるために学費もかかったことですし、今年は仕事の幅を広げて、事業として軌道に乗せたいなと思っています」