記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる

公開日

更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる

ドイツ語で『白雪姫』の呼び名も持つ‘アイスバーグ’は世界で栽培される名花。シュートが出にくい性質があるので、冬剪定で枝を切りすぎないようにすると見事に花を咲かせてくれます。

2月中旬を過ぎるとバラの冬剪定の作業がスタートします。バラ栽培はマニアック化していて難しいことを言い過ぎると思われるかもしれませんが、冬の剪定はそれでもやらなければならない大事な仕事です。一方で、剪定作業が大好きで楽しみにしている人もいるでしょう。筆者も剪定が好きなタイプです。枝を切ったバラは清々しく、まさに将来有望株なのです。

▼こちらもどうぞ▼

【ガーデニング】冬剪定の時期と基本の切り方 初心者のバラ育てQ&A 
【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる(画像2)

ペールオレンジのバラとカーネーションに、黄色のミモザ、スイートピーを合わせました。花束からほのかな温かさが立ち上ってくるようです。一足早く春の訪れを感じてみたいときにいかが?

【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる(画像3)

色鮮やかなユリとバラの珍しいコラボレーション。このように、パティオローズなどの背丈が低いバラを使うとバランスがとれます。このシーン作り、2~3月ならまだ間に合いますよ。

なぜバラには剪定が必要なの?

剪定とは枝を切って株姿を整えることを言います。特に2月に行うバラの剪定は『冬の剪定』とか『冬剪定』と呼ばれ、バラ栽培の中でも最も重要な作業の一つとされています。

なぜ剪定が必要かというと、バラの枝を切ると切り口の下の部分から新しい芽が出て、それが伸びて新しい枝になります。新しい枝にはフレッシュなよい花が付きます。これが剪定の一番重要な目的で、古い枝から新しい枝に更新してバラを若返らせる目的があるわけです。

次にバラは放置しておくとどんどん背丈が伸び、枝が広がっていきます。これでは人間の目線よりずっと上のほうで花が咲いたりして、私たちがイメージする美しい咲き方とは違ってしまいます。目的の場所、高さに花を咲かせるのも剪定の大事な目的です。

ほかにも古い枝や病気になった枝を取り除くことで株が健康に保て、込み合っていた枝がすっきりとして株の内部まで光が当たるようになり、生育がよくなります。株がすっきりすると病害虫の被害も少なくなります。


【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる(画像4)

長い台木の幹にバラの芽を接いだスタンダード仕立てのバラと、ピンクやライラックのブッシュローズ。足元はホスタを植えて自由な庭作りを。スタンダード仕立ては庭に高さを出したいときに有効です。

バラの樹形によって剪定の高さは異なる

基本的には枝を下のほうで切り詰めれば樹高は低くなり、花は低い位置で咲きます。逆に高い位置で切ると樹高は高くなり、花の咲く位置も高くなります。順調に育っているバラなら、どこで切っても芽は出て、花が付くので、剪定の位置に失敗したからといってバラがだめになるわけではありません。大切なのはどの枝にもハサミを入れることです。

剪定の位置はバラの樹形で決まります。枝が上や斜め上に向かって伸び、株がまとまりやすい木立ち性のバラ(ブッシュローズ)なら以前の1/2~1/3の高さに切り詰めます。ハイブリッドティー、フロリバンダ、株が自立してまとまるイングリッシュローズなどがこのタイプです。品種によって違いはありますが、基本的には剪定が深いと枝数が少なくなり、大きな花が咲きます。浅めの剪定だと枝が多めに残るのでにぎやかに咲きます。

【ガーデニング】2月下旬から冬剪定の作業スタート!バラを若返らせ、よい花を咲かせる(画像5)

これから満開を迎えようとしているピンクの‘ボニカ’。丈夫なランドスケープローズ(修景バラ)ですが花も可愛い。つぼみをいっぱいつけて、株全体に花が咲くと見事です。

最近とても多い、半つる性のバラ(シュラブローズ)はどう仕立てるかで剪定のやり方が異なります。支えなしにコンパクトな姿にしたいのであれば、株の1/3を切り詰める浅めの剪定にします。つるバラのように枝を伸ばして這わせたいときは枝先を軽く切る程度にとどめます。

なお、自分のバラのタイプがわからず、どうしても切る位置が決められない場合は、自分の膝上のあたりで切っておけばひとまず安心です。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

詳細を見る

ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

詳細を見る

木立ち性とは、草本でも自ら茎を伸ばして支えがなくとも直立して育つ性質のことを指します。例えば、ベゴニアやクレマチスなどには木立ち性の品種があり、鉢植えでも立体感ある姿が楽しめます。この性質を生かして寄せ植えやフォーカルポイントに用いると、高さと奥行きが生まれ、植栽にメリハリが出ます。木立ち性とほふく性を組み合わせると、よりダイナミックな演出が可能になります。

詳細を見る

シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

詳細を見る

誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

詳細を見る

樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

詳細を見る

樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

詳細を見る

株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

詳細を見る

支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

詳細を見る
画面トップへ移動