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【ガーデニング】冬剪定の時期と基本の切り方 初心者のバラ育てQ&A 

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吉原美奈子

【ガーデニング】冬剪定の時期と基本の切り方 初心者のバラ育てQ&A 

イギリスの生き生きとしたバラの庭。座ったときに顔まわりがバラで包まれて夢のよう。そうなるためにも高さを決める冬の剪定は重要です。

関東以西では2月も中旬を過ぎると日が長くなり、急に暖かい日が訪れたりします。本格的な春はまだ先ですが、地中深くでは植物の根が動きだそうとしています。この時期は5月のバラのシーズンに向けて剪定の作業を行う時期。適期に作業して春を待ちましょう。

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ヴィンテージのポットに生けたたおやかなバラ。バラがあるとお茶の時間がいっそう優雅になります。背景のフェンスのバラも葉も素敵。

Q 剪定とはどんな作業、なぜ必要なの?

A 剪定とは枯れ枝や不要になった枝を切ってバラの姿を適切な高さに整えることを指します。2月に行う『冬の剪定』はバラ栽培の中でも最も重要な作業の一つとされています。

バラは枝を切ると切り口の下の部分から新しい元気な芽が出て、それが伸びて新しい枝になり、新しい枝にはよい花が付きます。
これが剪定の目的で、古い枝から新しい枝に更新してバラを若返らせ、きれいな花を咲かせるために行うわけです。

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バンクーバーローズガーデンに咲く愛らしい‘ボニカ’。世界中で栽培されている丈夫な修景バラで、日本でもよく見かけます。

また、古枝や病気になった枝を切りとると、混み合っていた枝がすっきりとし株の内側にも光が届くようになります。
こうすることで蒸れが引き起こすバラの病気や害虫の被害も少なくなり、バラが健康に育つようになるのです。

さらに、剪定をしないままのバラは高く伸びて、せっかくの花が人の目線よりかなり上のほうで咲くという残念な事態になってしまうことも多いもの。

咲いてほしい高さに花を咲かせるためにも、枝を切る剪定が必要なのです。

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コテージガーデンにドイツのタンタウ社のバラ‘チッペンデール’が咲いています。白のジギタリスが暗濃色の葉を照らします。

Q 基本的な冬剪定のやり方を教えてください

A 剪定の基本は木立ち性(ブッシュ)のバラで覚えるとよいでしょう。

ハイブリッドティー(HT)やフロリバンダ(FL)、イングリッシュローズのようなシュラブタイプでも株が自立してまとまるタイプには基本の剪定を行います。

まず枯れ込んだ枝、病害虫の被害にあった枝、マッチ棒のように細すぎる枝や短い枝、古くなって花が付かない枝があれば切りとります。
枝が混み合っていて、株の内側に向かって伸びている枝(ふところ枝)も切り落とします。

枝の整理が終わったら、残した全ての枝にハサミを入れます。
木立ち性なら以前の1/2~1/3くらいの高さになるように切り詰めてください。

基本的には剪定が深めだと枝数は少なくなり、花数も少なめで大きな花が咲きます。
剪定が浅めだと枝が多く残るので、小ぶりでもたくさんの花が咲きます。

大輪のHTは堂々と咲かせたいので深めに、たくさんの花をにぎやかに群れ咲かせたいFLやシュラブは浅めに切るのが基本ですが、品種の特徴や自分の好みで加減してみてください。

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‘オレンジ マザーズデイ’のようなパティオタイプのバラを鉢に植えて並べただけ。苔むしたテラコッタの鉢が趣をプラスしています。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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ふところ枝とは、樹木の幹や樹冠の内側に位置する枝を指します。ふところ枝がふえると日ざしが不足しやすく生長が抑えられるため、花や実のつき方が悪くなることも多いです。そのため剪定の際、ふところ枝を整理して樹形を整えたり、風通しや日当たりを改善するのが一般的です。ただし、樹木の種類や目的によっては残すケースもあります。適切な剪定で木の健康を保ち、美しい庭を演出しましょう。

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木立ち性とは、草本でも自ら茎を伸ばして支えがなくとも直立して育つ性質のことを指します。例えば、ベゴニアやクレマチスなどには木立ち性の品種があり、鉢植えでも立体感ある姿が楽しめます。この性質を生かして寄せ植えやフォーカルポイントに用いると、高さと奥行きが生まれ、植栽にメリハリが出ます。木立ち性とほふく性を組み合わせると、よりダイナミックな演出が可能になります。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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