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【ガーデニング】たおやかに咲くオールドローズの魅力 マリー・アントワネットが愛したバラとは?

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吉原美奈子

チャイナ、ティー系には四季咲き性も

比較的新しい時代のオールドローズには、中国バラを起源とするチャイナ系やティー系(ティーローズ)があります。
これらの系統はオールドローズであっても四季咲き性があり、さまざまなモダンローズ交配親となっています。品種にもよりますが、コンパクトなタイプが多いので個人の庭にも植えやすく、鉢植えにもいいでしょう。

チャイナ系でよく知られている品種には、粉粧楼やオールドブラッシュ、ソフィーズパーペチュアル、ヘルモサなどがあります。粉粧楼は繊細ですが、オールドブラッシュは日本では庚申(コウシン)バラと呼ばれ、次々に咲くことで有名。株もわりとコンパクトで丈夫です。

【ガーデニング】たおやかに咲くオールドローズの魅力 マリー・アントワネットが愛したバラとは?(画像7)

ティー系のルーベンス。花弁に傷みがあり、完璧な姿ではありませんが、この花首の繊細さにティーローズの美がひそんでいます。(筆者撮影)

ティーローズにもレディ ヒリンドン、マダム ロンバール、マダム ブレビー、マダム アントワーヌマリーなどの名花が揃います。
ダマスクとは異なる、軽くて上品なティーの香りをもつのが最大の特徴。
花首も細めで、うつむき加減に咲く繊細な姿はバラ上級者の心をとらえて離しません。

このように魅力いっぱいのオールドローズですが、より深く知りたい方は各地方にある大規模なバラ園を訪れてみることをおすすめします。
ほとんどのバラ園では、オールドローズが系統ごとに植栽され、バラを鑑賞しながら特徴が学べる構成になっているため、多くのことが学べるはず。

花を見て、実際に香りをかいで、その魅力を体感してみましょう。

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イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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モダンローズとは、19世紀後半以降に登場したバラの品種群で、現在のバラ栽培の主流を担っています。ハイブリッドティーやフロリバンダなどが含まれ、鮮やかな花色、豊富な形状、長い開花期間が特徴です。ガーデニングでは品種選びの幅広さから初心者にも人気で、切り花にも最適です。クラシカルな香りを楽しめる品種も多く、庭やベランダを華やかに彩ります。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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ロゼットとは、地面に葉が放射状に広がるように生える植物の葉の形を指します。タンポポが代表的な姿です。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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育種とは、人にとって有用な植物を作るために、品種改良を行う技術や作業のことです。病気に強い、収穫量が多い、花色が美しいなど、目的に応じて親となる植物を交配させ、望ましい性質を持つ個体を選び出します。ガーデニングや農業の現場では、新品種の開発に欠かせない重要なものです。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

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