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知らないとまずい!医療費負担に年間10万円以上の差が出る「メタボ指標」【鎌田實さん×荻原博子さん】

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ゆうゆうtime編集部

メタボになると年間3万円以上負担が増える

荻原 メタボにならないことは、お金の面でもとても重要ですよね。たとえば厚生労働省の調査では、メタボの人はそうでない人に比べて医療費が余計にかかることがわかっています。60代の女性の場合、年間10万円以上の差が出るそうです。

鎌田 医療費が10万円以上増えるということは、健康保険が3割負担だとして、1人あたり年間3万円以上負担が増える計算になりますね。

荻原 年間3万円は大きいですよ。しかも高血糖から糖尿病になってしまうと、さらにお金がかかります。個人的にショックだったのは、体重が増えれば増えるほど糖尿病の合併症を併発しやすくなるということです。失明したり、人工透析になったりすると聞いてゾッとしました。

鎌田 糖尿病の合併症は怖いですよ。三大合併症っていわれているのが、神経障害、網膜症、腎症。血行障害になると抹消まで血流が行き渡らなくなって、脚が壊疽(えそ)してしまうこともあるんです。

荻原 ひどい場合には切断することになるんですよね。

鎌田 網膜症になると視力低下、白内障などを引き起こします。さらに怖いのは、腎症です。むくみなどがひどくなり、進行すると人工透析や腎移植が必要になる。人工透析になると、週3回、1カ月で約12回透析をすることになります。医療費としては年間480万円もかかる。もちろん医療保険や高額療養費制度がありますから、個人の負担は年間40万円程度になりますが、死ぬまで払い続けなくちゃいけない。特定疾病療養費制度などによる軽減も行われていますが……。

荻原 しかも週3回は病院に行って、半日くらいかけて透析を受けなくちゃいけないわけですよね。お金だけでなく時間もかかる、やりたいこともできない。「今日も透析に行かなくちゃ」という強迫観念みたいなものもストレスになりそうです。

鎌田 だからね、やっぱり自分の体重には敏感になったほうがいい。

荻原 BMIが30以上になると、糖尿病の医療費が標準(BMI23)の人の2.5倍になるそうです。まずは自分の体重をちゃんとコントロールしなくちゃいけませんね。

Profile
荻原博子さん 

おぎわら・ひろこ●経済ジャーナリスト。1954年長野県生まれ。
大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。生活に根ざした視点から経済の仕組みを、わかりやすく解説してくれることでも人気がある。

※この記事は『お金が貯まる健康習慣』鎌田實著・荻原博子著(主婦の友社刊)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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