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【ガーデニング】3月中旬からはバラの生長期。一番必要な作業は?手のかけすぎに気をつけて

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吉原美奈子

【ガーデニング】3月中旬からはバラの生長期。一番必要な作業は?手のかけすぎに気をつけて

水路にかかる橋のようにつるバラのアーチを連ねた情景。一般家庭ではなかなか真似のできないシーンですが、水路を小道に変え、アーチを低めに設けるとこのイメージに近づくでしょうか。

剪定が終わったバラは気温の上昇とともに芽を伸ばし、ぐんぐん生長していきます。日ごとに伸びる芽を見ていると、いろいろと手をかけたくなってしまうものです。でもやりすぎは禁物。バラを健やかに育てるために、そのお世話が本当に必要か立ち止まって考えてみることも必要です。

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【ガーデニング】3月中旬からはバラの生長期。一番必要な作業は?手のかけすぎに気をつけて(画像2)

つるバラの‘アンジェラ’の株元に、ロサ・オリエンティスの‘ニューサ’を。ロサ・オリエンティスはシュラブ樹形で耐病性が強い品種群。つるバラの株元には、‘マザーズデイ’などの小型で横に伸びるバラも適します。

【ガーデニング】3月中旬からはバラの生長期。一番必要な作業は?手のかけすぎに気をつけて(画像3)

アプリコットイエローのイングリッシュローズ。やや黄色みをおびたマットな質感の葉とカップ咲きの上品な花がやさしく調和しています。どんなタイプの庭にも合うバラです。

芽かきは大輪のハイブリッドティーに有効

剪定後に出てきた赤みを帯びた芽は、次第に伸びてきて3月中旬には葉が展開するようになります。剪定後に強い寒さに合って、枝先が黒く傷んだり、期待したような芽が育っていない場合は、その下にある元気な芽の上にハサミを入れて剪定をやり直しましょう。これを枝の切り戻しといいます。

また、生育がよいバラでは1カ所から芽が3つも出てくることがあります。1輪の花を大きく立派に咲かせるハイブリッドティーローズでは、芽を複数残しておくと全部が育ってしまい、花が貧弱になってしまいます。
中央の大きな芽を残し、両脇の芽を手で摘みとる芽かきをしておきましょう。

ただし、1株にたくさんの花を咲かせて全体の集合美を楽しみたい系統、つまりシュラブローズやフロリバンダ、修景バラ、ミニバラには芽かきは特に必要ではありません。

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バラにはいろいろな花形がありますが、花弁の縁がギザギザになるカーネーション咲きはちょっと珍しい。‘ピンク グルーテンドルスト’や‘ホワイト グルーテンドルスト’などがそのタイプです。

芽出し肥はやり過ぎないことが大切

芽が伸びだすともっと伸びてほしいという期待が高まり、肥料を与えたくなってしまいます。実際、バラ栽培の本などでは3月には芽出し肥を与えるよう書いてあることも多いのです。

しかし、これは1月や2月に冬の元肥を入れなかった場合や、少なかったときの場合で、元肥を十分に与えていれば芽出し肥は必要ありません。
肥料を与え過ぎると株が軟弱になり、病害虫の被害に合いやすくなります。また葉が奇形になったり、花が割れて咲いたり、花色が濁ったりするので注意してください。

冬の元肥を与えていない場合は、なるべく早く株元から30㎝ほど離れた場所に数カ所、軽く穴を掘り、肥料を施します。肥料はゆっくりと効く緩効性化成肥料を用い、即効性のある液肥も10日に1回与えます。

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アメリカ、バージニア州の一般家庭の庭に咲くバラ。白い壁と黒のよろい戸にピンクのフロリバンダローズ(中輪房咲き種)がよく映えて、モダンな印象を与えています。

ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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芽出し肥とは、植物が春に芽吹くタイミングで与える肥料のことです。この肥料は新芽や葉の生長を促し、元気なスタートを切るためのサポート役として重要な役割を果たします。おもにチッ素を含む肥料が多く、植物の生命力を高める効果があります。特に球根植物や多年草、果樹などに役立ち、ガーデニング初心者にも手軽に取り入れやすい方法です。適切に施肥することでその後の生育や開花がより充実し、庭づくりが楽しめます。

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化成肥料とは、チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)などの成分を人工的に化学合成して配合した肥料で、植物の生長をバランスよく促進する目的で用いられます。多くは粒状または粉末状で市販され、成分の含有比率が明示されているため施肥設計がしやすく、園芸初心者からプロまで幅広く利用されています。ただし即効性が高い化成肥料は、与えすぎると肥料焼けを起こすこともあるため、緩効性を用いたり適量を守ることが大切です。

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切り戻しとは、伸びすぎた枝や茎を途中で切り詰める作業で、植物の形を整えたり、次の花や芽の発生を促す目的で行います。開花後に行うことが多く、風通しをよくし、病害虫の予防にもつながります。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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芽かきとは、植物の不要な芽を摘み取る作業です。芽を減らして実つきや花数をコントロールすることで、良質の果物や野菜を収穫したり、花を大きく咲かせたりすることができます。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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成木とは、植えつけから数年が経過し、十分に生長して実をつけたり、花を咲かせることができるようになった樹木のことを指します。例えば果樹園で見られるリンゴやモモの木も、成木になれば毎年安定して収穫が期待できます。成木になるまでの管理が重要で、剪定や害虫対策、肥料など細やかなケアが必要です。ガーデニングにおいては、この段階になれば見栄えもよく、大いに楽しむことができます。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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元肥とは、植物を植える前や植えつけ時に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。追肥とあわせて行うと元気に育ちます。

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