犬と猫、言葉をよく理解するのはどっち? 研究で見えてきた意外な真実
永遠のライバル犬と猫。はたしてどっちの能力が高いのでしょうか? 知力、感情、身体能力、五感、生活などについて、動物学者の今泉忠明さんが詳しく解説した本『犬と猫どっちが最強か決めようじゃないか』が話題です。今回は本の中から「犬と猫、言葉をよく理解するのはどっち?」をご紹介します。
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犬や猫は自分の名前をイントネーションで覚える
愛犬や愛猫の名前を呼ぶと、だいたい「なに?」という顔で振り返りますよね。
このことからも、犬や猫は自分の名前を理解していることがわかります。単語の意味というよりも、イントネーションや音の響きで判断していると考えられるので、似たような単語で振り返ることもありますが……。
おもちゃの名前を覚えていて、飼い主の指示で持ってくる犬もいます。
チンパンジーやイルカと同等の言語能力がある犬も
ある実験によると、犬は200語の単語を覚えたそう。この結果は、頭のいい動物の代表のイルカやチンパンジーに匹敵します。
では猫は? これがちょっと判断がつきかねます。なぜなら猫は単語がわかっていても、自分の得にならないことは知らんぷりすることが多いから。名前を呼んでも、そのときの気分で振り返ったり振り返らなかったりしますよね。
とはいえ、猫の鳴き声は16種類と豊富で、もちろん自分や仲間の鳴き声の意味を聞き分けられるので、たくさんの音を理解できているのは事実。これはほぼ犬の鳴き声の種類と同じ数です。そこから推測するに、犬と同様の200語くらいは覚えるのではないか、と考えられます。
というわけで、今回は引き分けとしましょう。
脳の重さと体重の比較
脳の重さで大切なのは体重との比率。体重に占める割合が大きいほど、賢いとされています。犬と猫を比べるとあまり差がなく、賢さは拮抗しているといえるでしょう。猫が犬と同等数の言葉を理解していてもフシギではありません。
犬と猫、言葉をよく理解するのはどっち?
【判定】引き分け!
犬も猫も200語近くを理解している!
※この記事は『犬と猫 どっちが最強か決めようじゃないか』今泉忠明監修、ひぐちにちほマンガ、山田優子イラスト(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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動物学者
今泉忠明
いまいずみ・ただあき●動物学者。東京動物園協会評議員、日本動物科学研究所所長、日本ネコ科動物研究所所長、「ねこの博物館」館長などを務め、犬・猫はもちろん、動物全般についての知識の深さには定評がある。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)や環境庁(現・環境省)の生物調査などに従事後、上野動物園の動物解説員を務める。現在も富士山の動物の生態調査など、活発にフィールドワークを行う。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる猫のきもち』(大泉書店)など、生物に関する著書・監修書多数。
いまいずみ・ただあき●動物学者。東京動物園協会評議員、日本動物科学研究所所長、日本ネコ科動物研究所所長、「ねこの博物館」館長などを務め、犬・猫はもちろん、動物全般についての知識の深さには定評がある。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)や環境庁(現・環境省)の生物調査などに従事後、上野動物園の動物解説員を務める。現在も富士山の動物の生態調査など、活発にフィールドワークを行う。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる猫のきもち』(大泉書店)など、生物に関する著書・監修書多数。

犬と猫どっちが最強か決めようじゃないか
今泉忠明 監修
ひぐちにちほ マンガ
山田優子 イラスト
主婦の友社刊
永遠のライバル犬と猫。はたしてどっちの能力が高いのか? 知力、感情、身体能力、五感、生活などについて、動物学に基づいてジャッジ!犬猫について知りたい55項目を比較しました。
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