田原俊彦さんに楽曲提供した作詞・作曲家が、68歳で見つけた新たな移住先とは?
近所の人が誘ってくれて仲間ができていった
移住先は土地が広く、建物も大きい。リフォームには時間も費用もかかりそうだが、夕美子さんはそんな状況も楽しんでいる。
「10年間空き家だったのでリフォームは大変だけれど、地元の業者さんと一緒に焦らず整えていきたいですね」
移住先のコミュニティにどう入っていったらいいか悩んだり、都会とは違う距離感のなさがいやになったりして、数年で戻ってしまうケースも少なくない。その点はどうだったのだろうか。
夕美子さんの場合、市の移住担当者がコミュニティに参加しやすいようサポートしてくれ、縁もゆかりもない土地だったのに、短い間に気の合う仲間がたくさんできたという。
「Airbnb(エアビーアンドビー)※のオーナー夫婦を紹介していただき、主催しているお茶会に参加したことがきっかけで、お友達が増えました。イベントやお祭りも盛んで、顔を出すとすぐに知り合いができるの。類は友を呼ぶのか、物作りをされている方との出会いが多いですね。マヤ歴を研究している人、インドの伝統医学・アーユルヴェーダの先生など個性豊かな方たちと話をする時間が楽しい」
その中の一人が、移住の先輩であり、麹造りをする星野潤さん。
「潤さんの造るおみそは本当においしいんですよ。道の駅で買ったきゅうりにつければ、それだけでごちそうに。新鮮な食材が身近にあり、どれも心を込めて作っているのがわかるからホッとします。自然のもの、手作りのものをいただくと体が喜んでいるのがわかる。本当の贅沢ってこういうことなんだというのを実感しています」
※Airbnb:オンラインで民泊の提供・申し込みが行えるサービス