田原俊彦さんに楽曲提供した作詞・作曲家が、68歳で見つけた新たな移住先とは?
20代、30代は作詞・作曲家として誰もが知るヒットソングを生み出し、40代は子育てに専念。50代でショコラティエに、62歳で日本にお店を開き、68歳で新天地を見つけた夕美子さん。その途切れないパワーの秘密を伺いました。
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>>田原俊彦さんに楽曲提供した作詞・作曲家がすべてを失ったあと、62歳ではじめた意外な仕事とは?
お話を伺ったのは
ウォーマック夕美子さん
うぉーまっく・ゆみこ●1956年生まれ、東京都出身。
80年代に作詞・作曲家の宮下智として、トップアイドルのヒット曲を数多く手がける。36歳で結婚を機に渡米し、専業主婦に。
趣味で始めたチョコレート作りにハマり、50代でショコラティエに。
60代でトリュフの店を始め、音楽活動を再開。
68歳で群馬県に移住。
リアル店舗は閉め、東京を離れることに決める
毎月フレーバーの変わるトリュフ専門店「世田谷トリュフ」は人気の店になった。
「チョコレートは食べるのも好きだから、どんなフレーバーにしようかなと考える時間も楽しいんです。音楽もそうですけど、作ろうと考えるといいものができなくて、頭の中を空っぽにするとふっと降りてくるんですよ、アイデアが」と、ものづくりの秘密を話してくれた。
コロナ禍は乗り切ったが、最近のカカオ高騰もあり、サブスク「世田谷トリュフ友の会」と通販の形態は残し、奥沢の店を閉めることにした。店舗がなければ東京にいなくてもできるし、東京を離れる機会だと考えて、移住することに決めた。
移住先は、水と空気がきれいで、質素だけど本当にぜいたくな場所
「考える前に行動に移す」タイプだそうで、早速、移住先を決める行動に出る。まずは東京・有楽町にある「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」という全国の移住相談ができる場所へ行き、候補地を紹介してもらった。伊豆や那須高原、軽井沢や千葉も見たが、ピンとくるものがない。最終的に群馬のこの地に決めた。
「群馬は移住希望者の数が全国一。このあたりは水と空気がきれいで、食糧自給率も高いそう。地盤がよく地震が少ないので安心して暮らせることが決め手でしたが、いちばんはこの景色。毎日この景色を見られたらいいなと。それに、この家に入った瞬間、ここで暮らす自分が想像できたんです」
東京生まれの夕美子さんだが、東京を離れることに迷いはなかったのだろうか。
「東京はにぎやかすぎます。東京は遊びに行く場所。それに群馬なら東京からそんなに遠くないですから」と言い切った。