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【ガーデニング】梅雨時を彩るアイリスの仲間たち[8選]雨に似合う多年草も

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光武俊子

中国から古く渡来して里山で野生化 シャガ

開花期:4~5月
草丈:30~60㎝
学名はイリス・ジャポニカ(Iris japonica)ですが、古くに中国から渡来して、日本各地の人里や人手の入った山林で大株になっています。光沢のある葉が厚く、やや湿った林床を明るくする白地の花を開花。とても丈夫な常緑の多年草で、日陰にも耐えますが、花数は減ります。

鮮やかな黄花が水辺を彩る キショウブ

開花期:5月
草丈:50~120㎝
明るい黄色の花は美しく、花弁中央に筋模様が入ります。明治時代にヨーロッパから導入された薬草ですが、繁殖力が強いため、栽培する場合は外部に流出させないように気をつけましょう。株元が少し水につかるか湿った状態の用土で栽培。冬は地上部が消えますが、春にはまた芽を出します。

シャープな草姿に豪華な花 ダッチアイリス

開花期:4~5月
草丈:40~80㎝
アヤメやカキツバタに似た花ですが、オランダで古くから改良されてきた球根植物です。ジャーマンアイリスに比べると少し小ぶりながら、シャープな印象で凛とした佇まいが好まれます。湿った場所は苦手なので、日なたの乾き気味の場所に秋に球根植えつけましょう。

花色豊富でゴージャスな大輪 ジャーマンアイリス

開花期:4~6月
草丈:50~100㎝
ダッチアイリスと同じ球根タイプで、ドイツで改良された多彩な園芸品種があります。香りの強い品種も多く、花弁の元にあるブラシ状の突起が特徴。ゴージャスで存在感のある花ですが、終わりがけに傷みがやや目立ちます。水はけのよい日なたに植えっぱなしで、手がかかりません。

多彩な仲間ごとの特徴を理解しよう!

アイリスの仲間は花弁の元にあらわれる微妙な模様で見分けるほど、よく似ています。ところが、乾いた場所を好むものから水中で育つものまで性質は多様です。それぞれの性質を理解すれば、いずれも比較的丈夫で育てやすい多年草。初心者向きです。

1花が終わったら花がらを取り除いて次々に咲かせましょう。花のない時期もスッとのびた剣葉が、庭のアクセントになります。傷んだ葉は無理に切り取らずに、抜きやすくなるのを待ちます。

芽出しの2~3月と休眠する前の10~12月に緩効性肥料を与えます。肥料の与えすぎは株を傷めますので要注意。放っておくくらいで大丈夫です。雨の日にも似合うアイリスを楽しんでみてはいかがでしょう。

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緩効性肥料とは、肥料成分がゆっくりと土壌中に溶け出し、長期間にわたって植物に栄養を供給するタイプの肥料です。追肥、元肥のいずれにも使用され、施肥の手間を減らすことができます。

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植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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花序とは、複数の花が一定のパターンで並んだ構造を指し、植物の種類によって総状花序、円錐花序、頭状花序など多様なタイプがあります。例えばスズランのように一方向に並ぶものや、アジサイのようにまとまって咲くものなど、その形は見た目の美しさだけでなく、花粉の運搬効率や種子の散布にも関係しています。花序の形状は分類学や園芸品種選びでも注目される要素です。

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育種とは、人にとって有用な植物を作るために、品種改良を行う技術や作業のことです。病気に強い、収穫量が多い、花色が美しいなど、目的に応じて親となる植物を交配させ、望ましい性質を持つ個体を選び出します。ガーデニングや農業の現場では、新品種の開発に欠かせない重要なものです。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

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球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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