認知症介護の現場から!母のプライドを尊重しつつ新しい“武器”を使わせる方法【認知症母との介護生活#40】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】母にリハビリパンツを勧めるチャンス到来
先日
つけっぱなしにしていた
テレビから
尿もれ
という言葉が 聞こえてきた
この 尿もれ
最近の 私の
最大の関心事
もっとも
母の尿もれ についてだけど
母は 最近
自分が履いたパンツを
洗濯カゴに入れないで
ロッカーの隅に 押し込んでいる
多分
汚れたパンツを 自分で洗おう
と思うのだろう
実際
以前
何回か 自分で洗って
干していたことがあった
でも 最近は
汚れたパンツが
次々 押し込まれ
放置されることが 多くなってきた
最初のうち
私は
母の 自分で洗いたい気持ちを
尊重して
手を出さずにいたんだけど
だんだん
押し込まれたパンツが
はみ出して 山になり
隆起していった
ある日
私は とうとう我慢できず
その山を 掘削した
その山は
16枚のパンツで できていた
(16枚も持っていたのか!?)
パンツは パンツでも
大人用の 股のぶ厚い
リハビリパンツ
結構な高さだった
母の下着は どれも
思いの外
汚れていた
もちろん
加齢と共に
いろいろな部分が 緩んでくるのは
自然の摂理だ
未来の
自分の姿でも ある
だから 私は
テレビで
大人のおむつのCMを
観ていても
母は プライドが高いし
絶対 おむつなんて
嫌がるだろうな
嫌がるものを 使わせるのは
かわいそう
そう思って
おもつの使用を 考えたことは
一度もなかった
でも
今回 私は
その16枚のパンツを 前に
初めて
母に 紙おむつをつかってほしい
と思った
汚れた下着を洗うのが
イヤ
というより
下着を汚す 母の現実を
こんな風に 毎回
突きつけられたくなかった
もっとも
そんなこと言ってる自分は
まだまだ 甘い
って わかっている
本や ネットを見ると
認知症は
見当識が障害される病気なので
認知症のひとが
汚れたパンツを隠す なんて
まだ
ほんの 序章
これから先
トイレじゃない場所で
排泄したり
(!)
汚物を 壁になすりつけたり
(!$#!)
食べてしまうことさえ あるという
(!#$%?&!)
認知症母に
この先 現れる可能性のある
これらの 下(しも)の苦難を前提に
私は
どこを 目指していったら
いいんだろう
…と
ここまで 書いた時
その
「目指していく」という言葉に
反応してか
唐突に 頭に
SEKAINO OWARIの
♪RPG♪
が流れた
…あれ?
もしかして 私がやってるのは
下(しも)の世話RPG?
方法 という悪魔より
目的 という大事なものを
思い出さないとダメなの?
紙おむつは
敵と戦う 武器?
だとしたら
母のプライド
とか 言ってないで
新たな武器を 手に
私は 勇者として
下の世話の森を 進まなくては!
…な~んてね
自分を鼓舞したところで
認知症の場合
森を抜けた先に
希望があるとは 思えないけど
▼次回はこちら▼
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