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認知症母の「不安」が「笑顔」に変わった瞬間!大切な一言とは?【認知症母との介護生活#41】

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更新日

ぱいなっぷりん

60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。

▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼

>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】

「私のこと捨てないでよ」を繰り返す母

この マンガに描いた

私のこと 捨てないでよ

母は この言葉を
ここ1~2年 度々言ってきた

初めて聞いたときは
母一流のジョーク だと思った

そして
ジョークには ジョークで返さないと
と思ったんだけど

その時は
とっさには 気の利いた言葉が
思い浮かばず

何 言ってるのよ

という つまらない一言で
片付けてしまった

その後も

大抵は 出かける直前の
気が急いている時に 言われるので

はいはい わかってるって

とか

あ~ また同じこと言ってる

などと
テキトーな返事を して

そして 先日

母から 十何度目かに
そのセリフを 言われた時

私の頭の中は
カギだの 母の杖だの
予定の確認などで 一杯だった

だから
深い意図が あったわけじゃ
なかった

ただ なんとなく
口を衝いて 出た

捨てないわよ
私の 大事な たからものなんだから

言葉にした 瞬間
さすがに 自分で
ちょっと気恥ずかしくて

よく言うよ

と思った

私って 女優だな

とも思った


その時

それまで 私のストールを
ぎゅうっと掴んでいた 母の手が
ふっ と緩んだ

不安げだった母の顔が
みるみる 笑顔に変わった

それは
ほんとうに ほんとうに
うれしそうな笑顔だった

母は

かつては
華があって
いつも ひとの輪の中心に
いるようなひとだった

でも
認知症が進行していく中で

昨日できたことが できなくなる

自分の年齢も
今の季節も わからなくなり

土地勘も
少しづつ 失われてきて

今の母を
出掛けた先で 置いてきたら
確かに ひとりでは
家に帰ってこれないだろう

でも
わからなくなることが 多くても
そんな わからない自分のことは
わかって

もしかして あのセリフを言う度に
本気で

捨てられたら どうしよう

と 不安な気持ちになってたのかな

ごめん おかあさん


そんな おかあさんの気持ち
見えてなかった

むしろ

親を 捨てるわけないのに
私のこと 信用してないのかなあ

なんて
ちょっと 傷ついたりしてた

ひとは
ひとの発する一言で
しあわせを感じたり 傷ついたり

言葉の意味を 大切にしながら

これからは
たくさん

おかあさんは
私の 大事な たからもの

って 言おう

盛り過ぎでも

たとえ その時の感情で
嘘くさい と思っても

だって

母が 笑えば
私も しあわせになる

▼次回はこちら▼

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