介護生活で見つけた小さな幸せの瞬間。変わらない母の愛【認知症母との介護生活#46】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】風邪を引いたときのこと
先日 私は
鬼の霍乱
熱を出して
一日 寝込んだ
母が デイホームから
帰ってきても
お迎えに出られずに
ベッドに 横たわったまま
すると
母が 私の部屋へきて
寝ている私に 気づき
あら M子
気分が悪いの? 大丈夫?
そう言って
心配そうに 顔を覗き込んできた
私は
大丈夫
大分 良くなったわ
と言ったけど
母は
夕飯 私がつくろうか
とか
なにか やって欲しいこと
あったら 言ってね
な~んて やさしい言葉を
次々と言ってくれて
もちろん 現実には
今の母に
夕飯をつくってもらうなんて
まったく 期待できないんだけど
でも 母自身は
できる と思っていて
やってあげよう と思っていて
そんな 母から出る言葉に
遠い昔
同じように 熱を出した時のことが
思い出されて
同じように やさしくしてくれた母が
思い出されて
私は ベッドで
小さな子どもに 戻って
その時と同じように
絶対的な安心感に 包まれながら
ウトウトしていた
そして
その 僅か
5分くらい後だった
私の その 極上の時間を
破るように
母が
今度は 勢いよく ドアを開け
さあ そろそろ 夕飯の支度
始めましょう
お腹 空いちゃったわ~
そう 叫んだのは
そして
ベッドで寝ている私に 気づき
あら M子
気分が悪いの? 大丈夫?
そう言って
心配そうに 顔を覗き込んで…
…以下 リピート
その時 私は
今日の夕飯は 手抜きするから
あと15分 寝るね
と 母に伝えて
部屋から出ていって
もらったんだけど
その また
3分ほど 後
再度 母は 部屋に入ってきて
さあ そろそろ 夕飯の支度
始めましょう
お腹空いちゃったわ~
…以下 リピート
いやはや…
今の
母と私の関係性は
私は やる人
母は やってもらう人
でも
母からは
今まで たくさん たくさん
やってもらったしね
今も 母なりの気遣いは
してくれるしね
それが
あさっての方向であることも
まあ 多いけど
ふとした時に 昔を思い出して
しあわせな気持ちに
なれるってことは
その昔に しあわせを もらった
ってことなんだろう
そんな 昔 があることに
感謝する 夜
▼次回はこちら▼
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