【65歳・リフォーム実例】「予算1,000万円を予想外に超えてしまいました」古民家リフォームの意外な落とし穴
子どもが独立したり、体力の衰えを感じ始めたりするゆうゆう世代は、暮らし方を変えることを考える時期でもあります。読者の皆さんの悲喜こもごもの体験談をお届けします。今回は古民家リフォームの体験談です。
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暮らしのメインを1階に集約したけれど古民家ならではの誤算が次々と
【リフォームDATA】
●1階の天井を抜いて2階との吹き抜けに。薪ストーブを設置した。
●予算は1000万円以内と考えていたが、家が傷んでいたりして思いのほか出費が重なり予算オーバー。住んでいる自治体から補助金が30万円ほど出た。
吹き抜けにした1階からあたたかい空気が逃げていく
自宅は2階建ての古民家です。食事や就寝、在宅仕事などすべてを1階でできるようにリフォームしました。寒さが厳しい地方なので、1階には薪ストーブを入れました。天井を抜いて2階との吹き抜けにし、広いスペースであたたかく過ごすつもりでした。
ところが……。あたたかい空気って上にいくんですよね。薪ストーブを入れた1階が思いのほか寒くて、真冬はファンヒーターやホットカーペットを併用することに。あたたまった空気をかき回すシーリングファンもつけましたが、電気代がばかになりません。古い家で基礎が昔の工法だからなのか、工事を始めたら床の傾きが発覚するし、屋根を直さないと薪ストーブの煙突が通せないなど、予定外の出費が重なりました。
古民家は、維持管理が本当に大変なんです。伐った木の始末だけで数十万円、隣家との間に塀を造るのも軽く100万円超えと、バンバンお金が出ていきます。先祖代々の家で裏にはお墓もあるので転居はしませんが、老後の蓄えが吸い取られていく感じです。
意外な盲点があった古民家リフォームですが、1階だけで暮らせるので生活動線がラクになったのはよかったかな。古民家リフォーム専門の業者に頼んだので、工事自体は安心して任せられたのもありがたかったです。
BEFORE
天井が低く、圧迫感のあったキッチン(上)とダイニングスペース(下)。天井を抜いて2階との吹き抜けにすることに。
AFTER
広々としたスペースになりましたが、誤算は暖房。あたたまった空気がみんな2階に上がってしまうことに、あとから気づきました。
天井が低く圧迫感のあった食堂を吹き抜けにし、明るく開放的な空間に
薪ストーブの煙突を通すために、予定外 だった屋根の修理も必要になりました。
予算をオーバーしたのと、薪ストーブだけでは厳冬期をしのげないのが誤算でした。ただ、薪は自分で作ったり近所からいただいたりするので、ストーブの燃料費はほぼかかりません。
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