ひとり暮らしでもOK!「最期まで自宅で過ごしたい!」を叶える【3条件】とは?
最期まで自宅で過ごしたい。でもひとり暮らしだと、お世話が必要になったときは施設に行くしかないのでは——そう思う方も少なくないでしょう。けれども、ひとり暮らしの人でも在宅医療は選べるのです! 「たんぽぽクリニック」の在宅医・永井康徳先生の新刊『後悔しないお別れのために33の大切なこと』から、そのヒントを抜粋してお届けします。
▼前回の話▼
>>衝撃データ「命の期限が迫った時、7割の人は意思を伝えられない」日頃からすべきことは?【後悔しないお別れ】老老介護、独居でも自宅で過ごせる
自宅での介護と聞くと、若くて元気がないと無理だ、誰かにつきっきりで世話をしてもらわないといけない。そんなイメージがあるかもしれません。もちろん、介護してくれる家族がいれば安心ですが、体力がない高齢者家族(老老介護)や、ひとり暮らし(独居)の人だって在宅医療を選ぶことはできます。
在宅医療を支える、さまざまな専門スタッフ
その支えとなるのが訪問看護や訪問リハビリテーション、介護サービスです。
訪問看護は看護師が訪問して、患者さんの状態のチェック、薬がきちんと飲めているかの確認、入浴や食事のサポート、排泄の介助、介護のアドバイス、わからないことや困ったことの相談に乗るなど、幅広く対応します。
訪問リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など専門のスタッフが訪問して、日常生活で自立できるようサポートを行います。
65歳以上であれば介護保険を利用できるので(40歳以上65歳未満の場合は特定疾患で受けられる)、要支援や要介護と判断された場合は、さまざまな介護サービスを受けることができます。要支援、要介護の認定は、基本的には住んでいる市区町村の窓口に申請することで、主治医の意見書をもとに状態に応じて判断されることになります。この申請は本人や家族のほか、居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)などに依頼することもできます。
住んでいる市区町村によって異なりますが、在宅医療では医療保険と介護保険を使い分けて、さまざまな医療や介護のサービスを受けることができます。逆を言えば、家族が介護のすべて引き受けることはありません。専門のスタッフに頼り、できないことや困っていることなどがあれば、必要なサービスを受けることができるのです。
患者さんも、トイレや食事など、できることは自分でしたいと思っています。家族ができる最も大切なことは、そばにいて、気持ちに寄り添ったり、居心地のいい時間を過ごしたりすることであり、それは専門の知識がなくても、体力がなくてもできることではないでしょうか。
自宅での介護を心配する家族から相談を受けたとき、私は「大丈夫です。何もしなくていいんですよ」と答えています。実際に、ホームヘルパー、デイサービス、訪問入浴介護サービス、訪問診療、訪問看護、訪問介護などを受け、家族はほとんど何もしなくてよかったというケースも多々あります。
訪問看護や訪問リハビリテーションは主治医の判断、介護サービスはケアマネジャーが作成する「介護サービス計画(ケアプラン)」に沿って行われます。安心して在宅医療を受けるためには、信頼できる在宅訪問医、居宅介護支援事業者を選ぶことがとても大切です。
